団体からのお知らせ・インタビュー
【4/20.27オンライン説明会】北海道NPOファンド・地方における学習・能力向上機会の拡充による選択格差の解消【休眠預金等活用法助成】

※公募開始前のプログラムです。
認定NPO法人北海道NPOファンドは、一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)の2021年度通常枠公募(第2回)の休眠預金等活用法に基づく資金分配団体に内定しました。
事業期間は2022年から2025年までです。
事業名は「地方における学習・能力向上機会の拡充による選択格差の解消~小中を通じた「なりたい自分」の選択視野を広げる地域教育」です。
本事業の連携団体は北海道NPOサポートセンター、コープさっぽろです。
採択見込みは3団体、助成額は1団体あたり3年間で総額2000万円を予定しています。
オンライン説明会
- 4月20日(水)10:00-11:30
- 4月27日(水)19:00-20:30
申込フォーム https://forms.gle/TH6bc46tCGryvLKe7
事業計画・事業計画
[インタビュー]働くことについて、気楽に真面目な話をする場~ハタモク北海道 中田さん
![[インタビュー]働くことについて、気楽に真面目な話をする場~ハタモク北海道 中田さん](http://cdn.goope.jp/164450/220401113142-6246640e48a2a.png)
NPO法人ハタモク北海道
学生と社会人が働く目的を語り合う「ハタモク」事業
(令和3年度札幌市市民まちづくり活動促進助成金 さくらマネジメントグループ基金助成事業)
北海道の学生と社会人で「何のために働くのか」を気楽に真剣に語り合える場を創る、増やす活動を行っているNPO法人ハタモク北海道を取材しました。働く目的や意味を考えるきっかけや、社会人との交流の機会としてワークショップ『ハタモク』を開催しています。
今回はオンラインにて、代表理事の中田隆太(なかたりゅうた)さんにお話を伺いました。
学生と社会人が、働くことについて自由に話をする場をつくる
― まず、ハタモク北海道の活動について教えてください
『ハタモク』というワークショップ形式のイベントは、東京でスタートしたものです。東日本大震災があった2011年に、学生と社会人の交流の機会や、働くことについて、気楽に真面目な話をする場が必要ということで開始し、全国各地で開催されています。私は、たまたま縁があって、2012年に東京で開催されていた会に参加して、「北海道でもやりたい!」という思いを抱きました。
東京のメンバーの協力を得ながら、2013年に北海道で初めての『ハタモク』を開催しました。その後、学生と社会人が、働くことについて自由に話をする場をつくることを目的として、2年ほど任意団体として活動し、2016年にNPO法人として再スタートしました。
私自身は、大学で就職支援の部署で仕事をしているのですが、学生の中には、働くことについて考える機会を持つことができないまま就職活動に入り、「内定を取る」ことが目的になってしまっている人もいます。就職に関するセミナーの中心は、面接の方法やエントリーシートの記載方法といったものになってしまいがちです。そして、「身近な社会人」というと、保護者やアルバイト先の人がどうしても中心になってしまいます。「社会人」と一言で言っても、いろんな人が世の中にいる。『ハタモク』は、そういう人たちと関わる機会をつくるイベントでもあります。
以前は、参加者の中心は大学生でしたが、最近は高校生が増えてきました。札幌だけではなくて、全道に展開中ですが、エリアによって、参加者層が異なります。旭川では高校の先生がメンバーにいるため、高校生の参加者が多いですね。
現在、スタッフとなっているメンバーは15人ほどで、高校生・大学生・20代~50代の社会人が入れ替わりながら運営しています。新しいアイディアは若いメンバーから出されて、「やりたい人ベース」でパッとスピーディーにやる傾向があります。オンラインでの『ハタモク』開催も、「とりあえずやってみよう!」という声が上がり、昨年チャレンジしました。SNSの活用や、オンラインと対面でのハイブリッドでの開催も、学生メンバーからの提案でした。
ハイブリット形式での『ハタモク』開催
― 今回の助成事業について教えてください
以前の『ハタモク』では、参加者同士は近距離で、膝を突き合わせて話をしていたので、かなり密な状態となっていました。当然、コロナ禍では同じような対面での開催が難しくなり、2020年度は完全オンラインで数回開催しました。しかし、あらためてオンラインだけではなく、対面での交流も機会も必要と感じました。
徐々にイベント開催に際しての感染症対策や、参加方法の選択肢も増えてきたので、助成事業の内容は、オンラインと対面のハイブリット形式での『ハタモク』開催です。グループに分かれて話し合いをするので、オンライン参加の方がどのような形で参加できるか、そのための環境整備のための備品調達などが必要になり、助成申請しました。
既に6月と10月に実施しており、次は12月に開催を予定しています。開催形式は、会場の収容人数に対して、対面での参加者数を限定した上でオンライン参加者を募り、ライブ配信でつなぐという形です。会場全体を写すカメラや、音声がしっかり入るように性能の良い集音マイクを用意して、オンライン側も会場側も差が出ないように、運営側としては万全の準備をしました。やってみたら「意外といけたな」という感じでした(笑)。感想や参加者からのリアクションには、対面開催時と、あまり差はみられなかった印象です。
これからの社会がどのように変わっていくのか
― コロナ禍において、活動への影響や学生の様子はいかがでしょうか?
以前はイベント開催だけでなく、高校の探求学習などで社会と接する機会を通じてイベントの開催・運営に興味を持った生徒の活動をサポートしていたこともありますが、コロナ禍における『ハタモク』の活動としては、あまり変わっていません。
2020年は、小中学校も含めて一斉休校にもなり、それが新年度とも重なって、新しい環境においても、「なにもできない」というストレスや不安を感じている学生が多かったと思います。その時に、最も「だれかと話をしたい」というニーズが高まったのではないかと感じています。いま置かれている状況下で、外とのつながりを求めている感は強いです。コロナ禍2年目になり、オンラインの活用や対面での機会が増えてきたことにより、1年目ほど「困った・困った」という雰囲気は減りましたが、『新しい生活様式』でこれからの社会がどのように変わっていくのか、これまでやってきたことがどのように変化していくのか、より真剣に考えるようになりましたね。
「やりたいひとベース」で動く
― 運営上の課題や、今後の活動について聞かせてください
コロナ禍以前は、網走や函館、室蘭などでも開催していたので、また道内の他の地域でも開催したいと考えています。ハイブリッド形式だと、開催地に限らず全道から参加できるので、より多くの人に参加してもらいたいと思っています。
運営メンバーに専従のスタッフはおらず、全員が社会人か学生で、ボランティアで関わっているため、どうしても時間の制約があります。平日に様々なところを訪問して打ち合わせすることは難しいですね。また今後、感染症の状況が落ち着き、移動ができるようになると、宿泊費や旅費がかかるのでそれはそれで、課題です(苦笑)。
専従スタッフを置くとなると、かなり大きな舵を切ることになりますね。今の活動は、人を雇う規模ではないと思っています。学生を対象とした事業なので、受益者負担では限界がありますが、就活イベントとは違うので、企業関係者や社会人も、あくまでも個人としての参加をお願いしています。
開催頻度が多くなったり、助成金を受けると、正直なところ事務的な負担は増えますが、今のところは、今後も、私たちの考え方に共感してもらい、「やりたいひとベース」で動くという、現在のスタイルを継続していく方向で考えています。
インタビューを振り返って
高校生や大学生のうちから、働くことについて社会人と話せる場をつくる、という活動はこれからニーズがますます高まると思います。また、「やりたい人ベースで動く」スタイルは、参加する社会人にとって魅力的でしょうし、その中で若い世代がどんどんアイディアを出しているということで、好循環を生み出していると感じました。学生、社会人の力を活かすという意味で、参考になるお話が聞けたと思います。(高山)
インタビュアー
高山大祐(たかやまだいすけ)
北海道NPOファンド
※インタビューは、2021年11月18日にオンラインにて行いました。
記事作成
佐藤綾乃(さとうあやの)
支援協議会事務局
【2/14募集開始】令和4年度 さぽーとほっと基金・新型コロナウイルス感染症対策市民活動助成事業

さぽーとほっと基金・新型コロナウイルス感染症対策市民活動基金
令和4年度の助成事業募集を開始しました。
さぽーとほっと基金は、札幌市が募集し、町内会・ボランティア団体・NPOなどが行うまちづくり活動に助成することで、札幌のまちづくり活動を支える制度です。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、札幌市内でも様々な分野で危機的な状況が続いていますが、市内には、感染症リスク低減対策を実施しつつ、新型コロナウイルス感染症対策に関する活動を行っている、または実施を検討している市民まちづくり活動団体があります。
新型コロナウイルス感染症対策市民活動基金は、こうした活動を応援することによって、新型コロナウイルス感染症による影響を受けた方々を支援するため、また、札幌市の市民まちづくり活動を今後も活性化させるため、「さぽーとほっと基金」内に設けている基金です。
2020年度に助成を行った団体は、29団体。助成合計額は3,000万円となりました。
こちらのページにて、詳細を掲載しましたので、ぜひご覧ください。
[インタビュー]ひきこもりの循環型共生社会を実現できるように~レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク 田中さん
![[インタビュー]ひきこもりの循環型共生社会を実現できるように~レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク 田中さん](http://cdn.goope.jp/164450/211226105225-61c7cad9d5f0e.png)
NPO法人レター・ポスト・フレンド相談ネットワーク
長期在宅ひきこもり世帯の家族関係対話修復事業
(令和3年度札幌市市民まちづくり活動促進助成金 ひまわりピアサポート基金助成事業)
ひきこもりの長期化に伴う高齢化という問題の背景には、親子の対話が無い、意見のすれ違いからの対立など、家族関係の問題があるという指摘があります。
1999年の発足以来、外出が難しく、一般就労が困難なひきこもり者とその家族等に対し、手紙・メールによる相談や、出張相談などを行っているNPO法人レター・ポスト・フレンド相談ネットワークを取材しました。
今回は、理事長の田中敦(たなかあつし)さんに、オンラインでお話を伺いました。
『ピア・アウトリーチ』という活動
― まず、レター・ポスト・フレンド相談ネットワークの活動について教えてください
1999年9月1日に発足し、2010年3月にNPO法人化しました。22年の歴史があります。団体の名称の通り、私たちは「手紙」を使った活動をするところから始まりました。どうしても、ひきこもりや在宅状態が長い人たちと接点を持つチャンネルは、電話や対面では難しい側面があります。双方が無理のない形で接点を持つにはどうしたら良いかと考え、似たような引きこもり経験のある人たちが繋がり、支え合える取り組みとして、手紙を使った『ピア・アウトリーチ』という活動を行っています。
2007年度から外出が可能になった35歳前後の当事者を対象に、居場所支援という形で、当事者グループ『SANGOの会』という自由に集まれる活動を行っています。ただコロナ禍では、緊急事態宣言等で公共施設が使えないなど制限がある中で、居場所活動を続けるのは非常に苦労が多いです。現在は「オンラインSANGOの会」「よりどころオンライン当事者会/親の会」という形で定期的に開催し、できるだけ途切れないように活動しています。オンラインが使えない方へは手紙をお送りしています。デジタルとアナログをうまく併用して、コロナ禍では活動しています。
ひきこもり親子公開対論
― 今回の助成事業について教えてください
さぽーとほっと基金の助成金は、毎年度活用しています。当事者たちは収入がほとんど無く、道外・市外へ出る機会が無いので、私たちのNPOでは、本州の当事者や、なかなか会えないような方を招いて交流できるよう、イベントを行う形で助成金を活用してきました。
今年度は前年度に引き続き、ひきこもりの背景にある「親子関係の根深さ」に焦点をあてています。問題の根幹には、親子関係があるケースが多いです。ご家族も、本人の気持ちがわからない、何を考えているのか理解出来ない。当事者も同じように、親にわかってもらえない、理解してもらえない、家庭内に居場所を作れないという形で苦しんでいる方が多いです。
そのため、親子関係に着眼した『対話修復』を図っていく事業として、「ひきこもり親子公開対論」を、8月21日(土)に開催しました。運良く会場を使うことができ、講師も東京から当事者をお呼びして、26名の参加者を得て開催することができました。
概要としては、前段、親子公開対論について講師からの説明してもらい、後半は講師が当事者役や家族役になり、ロールプレイの形で、当事者と家族のクロストークができるようなセッションを行いました。多くの気づきを得られ、真正面から親子関係を捉えた事業は、これまでになかったのではという意見もあり、参加者からは好評の声を得られました。本当はもっと多くの参加者と、本格的な親子対論のディスカッションができればよかったのですが、やはり三密を回避できるよう、様々な配慮が必要になったために定員は少なくなりましたが、なんとか開催することができました。
やはり家族の方が、参加者の前で自分の悩みを赤裸々に語るということで、人選は難航しましたが、実際対論を行っていく中で、自身の体験を語りだす方も居ました。ファシリテーターを担った当事者講師の配慮や進行に助けられたということもあったと思います。
親子公開対論そのものは、今回来ていただいた講師が、関東を中心として幅広くやっていて、ノウハウを持った方でした。北海道でも親子関係に悩んでいる方が非常に多いので、開いてみる必要性があると考え依頼したところ、快く引き受けてくれました。本当に渦中にいる親子が来て対論するのではなく、あらかじめ人選した当事者と家族が1名ずつ登壇して、相手役は講師が担うという形で行いました。日頃思っていることを、当事者や家族が話し、それぞれがどんな風に思っていたのか、自分を映し出す鏡のような機会になります。
関東では、東京や千葉、首都圏といった開催していると伺っていて、今まで気づかなかったことに気付かされるという声が多いようです。今回の参加者は、当事者とご家族が中心で、支援者はお一人だけ参加されていました。コロナ禍の影響もあって、医療・福祉に携わる支援者の方々は参加を控えられたのではないでしょうか。今後の開催については、少し形を変えるなど工夫をして、家族会の運営の中での実施を考えています。
ひとつひとつ見ていくと、細かな影響がたくさん
― コロナ禍において、活動やひきこもりの方たちへの影響はいかがでしょうか?
まず居場所活動に影響が出ました。会場が使えないため、オンラインに切り替えて実施をしてきました。コロナ禍以前は、和室を使ったり、飲み物やお菓子を出したりしていましたが、それもまったくできなくなりましたね。また、わたしたちの活動は誰が来ても、いつ来て帰っても良い、事前予約も不要にして、敷居をものすごく低くしていました。名簿も一切取っていなかったため、ぱったりと来れなくなってしまい、音信不通になってしまった当事者や家族がかなりいる状況です。連絡のしようがなく、電話番号もどこに住んでいるのかもわからないため、これがいちばんの気がかりです。
ひきこもり、元々在宅生活を長期に渡って行っている方が多いので、本人にとっては生活様式が大きく変わったということは無いですが、自分だけでなく家族みんながステイホームになったことで、家族関係がうまく行っていない家庭では、ちょっとしたことで口論や対立が起きてしまい、家庭内の居場所が持てない、無くなってしまうという当事者が出てきていることも大きな課題です。
イベントなどで用事や居場所があるから外出していた当事者も多かったですし、図書館などの施設も閉鎖になり、行き場所が無くなって、夜眠れなくなるなど、日常の生活に細かな影響が出てきている人もいます。
また、元気になってアルバイトを始める方も多かったですが、強迫神経症の方などは、「自分が感染するんじゃないか」という恐怖から『コロナ恐怖症』になってしまい、アルバイトをやめざるを得なかったり、完全に連絡が取れなくなってしまったり、ひきこもりに逆戻りしてしまう人も出てきています。このように、ひとつひとつ見ていくと、細かなコロナ禍における影響がたくさん出てきていることを感じます。
― オンラインでの活動について教えて下さい。
オンラインの居場所へは、以前から活動に参加していてインターネット環境のある人がメインになっています。そういう方々は繋がっていますが、利用できない方も多いです。特に50~60代の中高年層はネット環境が無い方も多く、これまで紙媒体の広報物を見て参加していた方たちについては、完全にお手上げなんですよね。連絡先がわからないため、お知らせができず、完全に途切れてしまっています。
オンラインで参加されている方たちの間でも、実際に会いたいね、という声は最近顕著になってきています。あらゆるものがオンラインになってしまって、やはりオンラインは疲れる、実際に会うことの良さが、オンラインが長期化される中で、再認識されている気がします。
そのような中ですが、会場の問題は、どうしようもない課題ですよね。私たちの活動は、札幌市からの委託事業で行っているので、自分たちで会場を確保できたとしても、行政の指示に従わずに対面で実施するのは難しいです。緊急事態宣言中はもちろん、まん延防止措置期間もすべて解除されない限り、いかなる方法をとっても対面での開催は難しいです。
手紙は、むしろニーズがあって、コンスタントに相談が来ています。メール相談もコロナ以前より2倍ぐらいに増えています。逆に、電話相談の割合は少なくなっています。家族に話が聞こえてしまうので、電話は掛けづらいのかもしれないですね。オンラインであっても自宅で行うと、イヤホンをしていても、自分の声はどうしても家族に聞こえてしまいます。場合によっては、家族が部屋に入ってきて、映像に写ってしまう可能性もあるので、ビデオオフにして参加しなければならないなど、オンラインも難しい方がいらっしゃいます。
相談内容の変化としては、1番は体調不良、健康面での不安という相談が増えました。2番めは収入面です。アルバイト収入が減ってしまうなど、コロナが長期化することによって、世帯そのものの収入が減り、お金の不安についての声が多くなっています。
ピアスタッフは専門職
― 運営上の課題はありますか?
現在、収入の中心は委託事業と助成金です。寄付金は、認定NPO法人格を取得するまでには至らない程度です。ひきこもりの当事者は、お金を持っていない人が多く、私たちはそういう人達からお金を取るということは基本的にはしていません。NPO法人は会員制で会費収入もありますが、会費を払えない人の方が圧倒的に多いです。会員でなければ利用できないというような差別化はせず、誰でも参加できる形にしています。そのため、参加者に対して会員は少なく40名ほど、寄付金収入は年間25~30万円弱という、弱小団体なんです。
団体の運営に関しては、得手不得手があると思いますが、NPOは結構細かな事務処理がありますよね。当事者団体は、得てして事務処理が苦手なところが多いのかなと思います。当事者団体を運営していくにあたっての事務処理課題をどうクリアしていくか、中長期的な展望として課題感があります。当事者ではない者が担った方が良いのかどうかも含めて検討してくことも大事ですね。北海道NPOサポートセンターで、当事者団体における事務処理の研修なんてどうでしょうか?そういうのを企画していただけたら、参加したいという当事者もいるのではないかなと思います。
― 今後の活動についてお聞かせください
私たちは当事者団体なので、過去に不登校やひきこもりの経験があり、運営を担っている人たちは、ピアスタッフという形で活動しています。できるだけ当事者のニーズにあった事業を展開していくことが何よりも大事です。また当事者であっても、ずっとボランティアで活動に携わり続けることは、非常に辛いです。ピアスタッフへは実働に対する正当な対価としてのお金がまわっていく、そのことが社会に戻っていくことにも繋がります。NPOとしても、ひきこもりの循環型共生社会を実現できるように、働きかけや事業展開をしていくことが大事だと思っています。現在は、委託事業で居場所活動などを行っていますが、できるだけピアスタッフへは、実働に見合うお金が渡せるようにしたいと考えています。現状ではまだ難しいですが、生活が少し安定できるぐらいの形にしたいと思っています。
どうもNPOはお金を稼いではいけない、ボランティアじゃないと、という意識やイメージが強いですよね。まわりのひとも、当事者なんだからボランティアでいいんじゃない、という見方がまったく無いというわけではないです。ピアスタッフは専門職であって、重要な役割を果たしていますし、ひきこもり体験をもっているピアスタッフによる支援が良いという声も、実際に利用している方から聞こえてきます。彼らを専門職と同格としてみて、それに見合うお金が循環する形にしてもらいたいなと思っています。
インタビューを振り返って
「決して押しつけないが静かに返信を待つ」一種独特な、手紙を使ったピア・アウトリーチの手法は、当事者の状況を理解に基づくものだと感じました。20年以上の歴史がありながら、コロナ禍への対応や今回の助成事業のように親子公開対論のような新しい手法を導入するなど、時代に合わせた活動を続けてらっしゃることにも学ぶべきことが多いと思いました。(高山)
インタビュアー
高山大祐(たかやまだいすけ)
北海道NPOファンド
※インタビューは、2021年9月9日に行いました。
記事作成
佐藤綾乃(さとうあやの)
支援協議会事務局
2020年度 さぽーとほっと基金・新型コロナウイルス感染症対策市民活動基金の活動報告を掲載しました

さぽーとほっと基金・新型コロナウイルス感染症対策市民活動基金
さぽーとほっと基金は、札幌市が募集し、町内会・ボランティア団体・NPOなどが行うまちづくり活動に助成することで、札幌のまちづくり活動を支える制度です。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、札幌市内でも様々な分野で危機的な状況が続いていますが、市内には、感染症リスク低減対策を実施しつつ、新型コロナウイルス感染症対策に関する活動を行っている、または実施を検討している市民まちづくり活動団体があります。
新型コロナウイルス感染症対策市民活動基金は、こうした活動を応援することによって、新型コロナウイルス感染症による影響を受けた方々を支援するため、また、札幌市の市民まちづくり活動を今後も活性化させるため、「さぽーとほっと基金」内に設けている基金です。
2020年度に助成を行った団体は、29団体。助成合計額は3,000万円となりました。
下記のプロジェクトページにおいて、活動報告を掲載しましたので、ぜひご覧ください。
- オンラインを活用した子どもの学びの場づくり(Kacotam)
- 訪問型子育て支援「菜の花」継続と産前産後の不安を取り除くための訪問支援事業(子育て支援ワーカーズ 「べりぃべりぃ」)
- 小児ガン患者に対する学習支援ならびに心のケア(勇者の会)
- ステイホームの高齢者に届ける癒しのコンサートで、新しい生活様式後も演奏活動できるよう演奏家を応援する事業(札幌YWCA)
- 「安全で楽しい自転車の利活用」を「新しい生活様式」に取り入れて、札幌のまちを元気にする事業(ポロクル)
- 農業×福祉×デザインによる「レスパイト・コミュニティ」の創出」(ときの森衣食住・かなでる)
- タブレット・ネットワーク活用で、地域交流を復活させる事業(たすけ愛ふくろう清田)
- 「配信版コミュニティ放送局」創設事業(新琴似音楽祭実行委員会)
- 集まらなくてもピアサポート;リモートDV被害者支援事業(holoholo)
- 新型コロナウイルス感染症によるフードロス支援と養護施設及び医療機関等へのお弁当無償提供事業(Hokkaido Dream)
- おそとでほっと あおぞらあそびのひろば事業(さっぽろ冒険遊びの会)
- 妊娠期からの切れ目ない子ども子育て訪問事業&子ども宅食事業(NPO北海道ネウボラ)
- COVID-19に負けない!女性エンパワメント事業~女性および子どもを支える母親を支援する~(NPOピーチハウス 女性と子どもの元気の輪)
- 新型コロナウイルス感染症による、不安や悩みを抱えたシングルマザーが、安心して交流できる場で必要な情報を得られ、本来持っている力を取り戻し、子どもと前向きに暮らせるようにサポートする事業(しんぐるまざあず・ふぉーらむ北海道)
- 大切な人を亡くした子どもと保護者、ならびに大人のためのコロナ禍におけるグリーフサポート事業(グリーフサポートSaChi)
- ~いつも一緒にいたいから~オンラインを活用した保護猫の譲渡事業及び愛護啓発に係るビデオ等の配信事業(ニャン友ねっとわーく北海道)
- 子育て世代のための出張屋外おさがり交換会の開催とオンライン交流会(mofu会+(プラス)の開催)(子育て相互支援団体かえりん)
- 休校影響下の学びの保障をする4つの柱プロジェクト(はる)
- 新型コロナウイルス感染症に関する子供・若者・保護者の悩み事相談支援事業(訪問型フリースクール漂流教室)
- 不登校、学校について悩みを抱える子どもと保護者の居場所・相談・学習支援事業(フリースクール札幌自由が丘学園)
- おうち時間で子どもの知的好奇心を刺激し、発想力や工作力を養いながら感性を磨く「演劇体験キット」配布事業(コンカリーニョ)
- 新型コロナウイルス感染症対策と新しい生活様式をふまえた子育て支援を一歩進める事業 (子育て応援かざぐるま)
- 地域の居場所におけるオーダーメイドの相談支援事業(ねっこぼっこのいえ)
- COVIT-19による困窮対策のための小包応援プロジェクト(フードバンクイコロさっぽろ)
- 休校措置の期間中に見えた課題を子ども達の未来につなげよう事業~「食事」「学習」「運動」をオンラインで学ぼう~ (子どもの未来・にじ色プレイス)