団体からのお知らせ・インタビュー

2023 / 09 / 11  10:35

[インタビュー]学生とシニアを繋ぎ、地域に「輪っこ」をつくる~wacco高木さん

[インタビュー]学生とシニアを繋ぎ、地域に「輪っこ」をつくる~wacco高木さん

学生団体wacco
北大周辺地域の繋がりを作る教室と生活支援サービス事業
(令和5年度札幌市市民まちづくり活動促進助成金 新型コロナウイルス感染症対策市民活動助成事業)

 

学生団体wacco(わっこ)は、年齢に関わらず、誰もが自分らしく生活できる世界を作ることを目標に、シニアが学生の若さと触れ、学生がシニアの経験を知ることで、学生とシニアの両方がWell Being(ウェルビーイング)になる状況を作るために、掃除や雪かき、外出付き添いなどのシニアの方々のお手伝いや老人ホームからの依頼による雪像づくりなどに取り組んでいます。

今回は、代表高木翔成(たかぎしょうな)さんにお話を伺いました。

※右写真:高木さん

  

btn_01project2.gif若者が運営する高齢者のためのイベント

― 今回の助成事業の内容や経緯について教えてください

月1~2回、高齢者向けのイベントを行うというものです。具体的には、VRゴーグルの体験会やスマホ教室、留学生との交流会など、この一年で15回程度の開催を予定しています。
VRゴーグル体験会は、宇宙ステーションやヨーロッパなどを見てもらい、とても喜んでいただけました。初めて体験したという方が多く、「見ているだけではつまらない」「ゲームがしたかった」という方もいらっしゃいましたが、概ね楽しんでくれたと思います。
これまでにVR体験会は1回、スマホ教室は2回行いました。7月にはインドネシアの留学生との交流を行い、留学生に作ってもらったクイズや、日本語と英語を混ぜてインドネシア語の練習もしました。

waccoの通常事業では、訪問型のお手伝い(生活支援)サービスを行っています。高齢者からの依頼に対して学生が、基本は1対1で対応しています。これまでに自宅から出ない高齢者の方にたくさん出会ってきたので、そういった方々が外出するきっかけを作れたらと思い、今回の事業を企画しました。
VRゴーグルを使えば宇宙まで行けるので、良いですよね! 

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スマホ教室の様子

 

btn_01project2.gif試行錯誤をいろいろしながら

 ― 事業を実施して感じた課題や発見を教えてください

自宅から出ない高齢者にイベント会場に来てもらうということは、なかなか大変でした。付き添いが必要であったり、足の悪い方に来てもらうことはなかなか難しく、今後の課題でもあります。スマホ教室は1対1で行っているのですが、シニアと学生の数をぴったり合わせるというのも大変で、急に欠席される方や、申込みなく参加される方もいらっしゃるので、前日にwaccoメンバー以外からも学生を募集するなどして、数を合わせられるようにしています。

内容も、授業形式のスマホ教室だと、個人個人の課題が解決できないですし、個別対応は設計が大変だなと感じています。まだまだ試行錯誤している最中で、学生からも難しかったという声がありました。スマートフォンは機種やバージョン、携帯会社によって使い方が異なる点や、シニアの方々の質問のレベルが高いという声もありました。今後は「~曜日~時から」というように決めて、学生5人を配置して、質問がある方に来てもらうという形にした方が、広報や運営面からも良いかなと考えています。

さぽーとほっと基金の助成金からは、会場費や広報費をいただいていますが、NPO法人シーズネット(wacco連携団体。高齢者の仲間づくりなどを行う)にも、活動を支えてもらっています。8月17日の北海道新聞に、8月のYouTube教室について掲載されましたが、参加の申し込み受付はシーズネットに取りまとめてもらいっています。イベントへの参加もシーズネットの会員の方が多く、一般の方へはあまり広報できていません。

 

btn_01project2.gifいろんなことやってみたい

― 今後の活動についてお聞かせください

waccoの会員は現在約120人います。みんな札幌市内の大学生ですが、半数以上が北海道大学の学生です。タイミングが合えば来てくれるという感じなので、高齢者からの依頼を受けることも大事ですが、学生のやる気が出るようにwaccoって面白い!とアピールすることも大事だなと思います。

スマホ教室はやる意味があると感じています。スマホを使うことができるだけで、毎日の楽しさが変わるのだと実感しました。これまでの生活支援サービスとしては、こういったサポートは行ってませんでしたが、これからは頑張っていきたいです。

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活動の様子。いい笑顔!

 

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インタビューを振り返って
お話を聞く前は、シニアの方々のお手伝いをするというイメージだったのですが、お話を聞いてからは学生にとっても気づきを与えてくれる活動だと感じました。ただ一方的に何かをしてあげるのではなく、その中で学生がシニアの方々はこういうものを求めているのか、ここが知りたいと思っているのか、というような気づきから、次の活動へと繋がっているのだなと思いました。また、お店のポイントカードなど日常で使うものや連絡手段として使っているアプリもスマートフォンしか対応していないものが多くなっています。キャッシュレス決済しか対応していないというお店も出てきており、高齢者の方にとってはハードルの高いものとなってきています。waccoさんが行うスマホ教室は、高齢者のより豊かな生活にも繋がると感じました(秋本) 

 

インタビュアー 
秋本伊織(あきもといおり)
北海道NPOサポートセンターインターン
北海学園大学3年

※インタビューは、2023年8月22日wacco事務所にて行いました。

 

 

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