団体からのお知らせ・インタビュー

2022 / 05 / 09  14:48

[座談会企画]道内地域におけるフードバンク活動のいま(2)

[座談会企画]道内地域におけるフードバンク活動のいま(2)

国内では2000年頃から、食品の製造や加工の過程で発生する規格外品等を引き取り、福祉施設等へ無料で提供する「フードバンク」と呼ばれる活動が広がりました。まだ食べられるにも関わらず、食品が廃棄されてしまう、いわゆる「食品ロス」削減の観点から、国では農林水産省が中心となって活動を支援しています。新型コロナウイルス感染拡大の長期化により、生活困窮者に向けた有効な支援策としても期待されています。

前身である北海道内中間支援組織「コロナアクション」として開始した座談会も、今回で3回目となりました。第3回座談会では、地域でフードバンク活動を展開している道内の3つの団体に、オンラインでお集まりいただきました。取り組みを始めたきっかけや具体的な活動の内容、いま抱えている課題やこれからの展望についてお話をうかがい、中間支援ネットワークとして活動の実態を学ぶとともに、課題を解決できるよう、活動団体同士や関係機関との連携・協働を考えます。

※この企画は2022年2月26日に開催しました。2回に渡って記事を掲載します。

右写真:座談会参加者の皆さんと。

 

btn_01project2.gifスピーカーの皆さん

 

フードバンク千歳 すまいるはーと(千歳市)

代表 根本幸枝(ねもとゆきえ)さん、副代表 河津佳澄(かわづかすみ)さん   

       

NPO法人ピーシーズ(フードバンク旭川)(旭川市)

理事長 井上俊一(いのうえしゅんいち)さん 

 

フードバンク道南協議会(函館市)

事務局長 中森 司(なかもりつかさ)さん

 

 

◆主催:北海道中間支援ネットワーク

・座談会進行:竹田剛憲北海道立市民活動促進センター

       丸藤 競函館市地域交流まちづくりセンター

・記録:溝渕清彦環境省北海道環境パートナーシップオフィス

 

 

btn_01project2.gifフードバンク活動団体が必要とする支援とは 

 

中森:皆さんにひとつ、お聞きしたいことがあります。いま農林水産省で、フードバンク活動を支援しようという動きがあります。「フードバンク支援緊急対策事業」というもので、運搬用車両や保管用の倉庫、機器を借りる経費や、輸送するときの経費やボランティアのガソリン代を支援するという補助制度です。
では、直接、食品をもらえるのかというと、この事業ではもらえません。また、応募する団体の数が多いと、補助の対象から外れてしまう可能性もあるでしょうから、私たちは応募しないでおこうと思っています。「食品を提供して協力するよ」という企業に、農水省などの官庁で輸送費を出してもらえると大変助かります。
参考)フードバンク支援緊急対策事業
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井上:こちらにも農水省事業の情報は来ています。今回の補助制度は、交付のための事業実施報告等を含めて、かなり使いづらいと感じているので、私たちも応募を見送ることにしました。農水省は、国の災害用備蓄食品の提供、有効活用に取り組んでいて、昨年の初めくらいまでは先方で輸送費を負担してくれていましたが、この補助制度ができてから、引き取りにおいで、もしくは団体持ち(着払い)だよということになっているのかなと思います。
参考)国の災害用備蓄食品の提供ポータルサイト
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― フードバンク活動団体に対しては、どのような支援、補助制度が有効でしょうか。

井上:実際に食品を提供してくださる企業に対して、直接、輸送費等を補助するような仕組みの方が、企業も参加しやすいと思います。フードバンク活動団体も事務的な手続きが発生しないので、食品をスムーズに受け取ることができます。

根本:私たちの悩みは、補助制度などはだいたい活動実績が1年以上ないと、申請できないという要件があることです。無料で災害用備蓄食品を受け取ることができても、輸送費は活動団体の負担となると難しい。もう少しどうにかできるといいのにと思います。

河津:私たちは団体を立ち上げたばかりですので、農水省にそうした補助事業があるということも、正直いま始めて耳にしました。

 

 

 btn_01project2.gif資金・食品・情報・連携……それぞれが抱える課題

ー その他ににどのような課題がありますか。また、他の団体にうかがってみたいところはありますか。

中森:食品はボランティアさんに車両で運んでもらうのですが、ガソリン代も上がっているのでまったくの無償では私たちも心苦しく、継続的に活動していくために、ガソリン代はお渡しています。助成金や補助金を得るためにインターネットで助成団体等を調べて申請しています。

井上:私たちは設立時から、いかに生活困窮者の方との接点をつくるかが課題でした。検討した結果、個人の方を特定する必要はないという判断に至りました。行政、公共の機能で困窮されている方を拾い上げています。例えば旭川市自立サポートセンターや旭川市生活支援課。保護認定がおりるまで1週間から10日程かかるので、連絡を受けて、その間支援する。また、社会福祉協議会に相談に来られた方や、地域包括支援センターで把握している困窮されていると思われる方。センター等から依頼を受けて、支援に取り組んでいます。このように困っている人のセンシングを行っています。
ですから私たちのフードバンク活動は、例えば母子家庭の支援のように、継続的に行うものではありません。継続的な支援が必要な方には、本来の社会福祉サービスと結び付ける。その結び付くまでの間ということで、支援しています。

根本: 私たちのいまの課題は、正直に言えば、支援する食品が十分には集まっていないことです。回を重ねるうちに分かってきたのですが、私たちとお話することも含めて、皆さん、親子でマルシェに来ることを楽しみにしています。お母さんが一人で、数人の兄弟を抱えて頑張っている世帯も多いので、「一人ひとりにこんなにお菓子が当たるんだね」と喜んでいる様子を見ると、カップラーメンやお米、お菓子ひとつでも開催したいと思い、毎月、何とか継続しています。
皆さんは長く活動されているので、地域に理解をいただいていると思いますが、最初はどのように活動情報を発信し、お付き合いを増やしていったのでしょうか。私たちは団体の説明資料を作成して、企業や地域、行政等へ配布しています。また、母子家庭の方にアンケートをとって、福祉団体や関係機関にお伝えしたいと考えています。

中森:団体の設立時から、女性の市議の方に関わってもらっています。社会福祉協議会に後援をお願いする際に、挨拶に同行していただきました。また、函館市役所にも話をしてもらい、いまでは災害備蓄品の交換の際に、水や缶入りのパン、レトルトのご飯なども提供されるようになりました。市の方も廃棄処分してはもったいないので、そうしたつながりができれば、食品が集まるようになるのかなと思います。
それから新聞記者の方にも活動をお知らせして、取材記事を掲載してもらいました。若い人はあまり新聞を見ないと思いますが、ある程度、年配の方は時間にも余裕があり、丹念に新聞を読むんですね。そうした方から「うちに余っているものがあるから、取りにおいで」と連絡をいただくことがあります。そのように少しずつ、活動が知られるようになってきました。
札幌が良いなと思うのは、市役所のホームページで、フードバンク活動を活動団体の情報とともに紹介しているところです。そうした情報発信があると、食品も集まりやすいのかなと思います。地域の企業に協力いただけないかと挨拶に行きますが、本社が札幌という企業もあり、本社と調整してほしいと言われることもあります。行きたいのはやまやまですが、こうした状況なので、なかなか札幌に足を運ぶことはできていません。
また、知り合った北海道農政事務所の方を通じて、東京や北海道のフードバンク活動の情報が入るようになりました。その縁で、よつ葉乳業さんからも牛乳の寄付をいただきました。そういったつながり、働きかけも重要だと思います。

井上:私たちはまず、食品を提供いただく形式を2種類、考えました。ひとつは食品を扱っているメーカーさん、量販店やスーパー、農協さんなどです。いくつか当たっていきまして、いまも支援いただいている企業さんもあります。ただ企業さんからいただく場合には、同じ食品がいっぱい来ます。困窮者の方から2週間分お願いしますと言われた場合に、同じものを3食2週間分お渡しするということにはなりませんよね。そこで食品の多様化も期待して、個人の方からの提供も得たいと考えました。
北海道新聞社の旭川支社に相談をしたところ、支社長を含めて応援してくださり、積極的にアピールしてくださいました。人に余剰食品を差し上げるということは、生活に余裕がなければ難しいですよね。そこで新聞を読む余裕がある方に情報をお伝えすることで、寄付がどんどん来るようになりました。個人からの寄付はバラエティに富んでいます。一方で企業さんからいただく大量の食品。これを組み合わせて提供することができるようになりました。

根本:ありがとうございました。明日から情報発信にもがんばりたいと思います!
もうひとつ、お話を聞かせていただければと思います。私たちは最初、近所のママさんたちに協力をいただきたいと考え、チラシを配っていましたが、「私たちもそんなに余裕はないんだよね」という声がありました。先ほど「新聞を読んでいる余裕のある層からの支援」というお話がありましたが、支援してくれる人の生活まで思いが及んでいませんでした。私たちはママさんたちのそういう言葉を聞いて、活動が止まってしまった、ということがあります。それで皆さんにおうかがいしたいのは、何か言葉を聞いて活動が止まってしまった、ということがあるかということです。

中森:私はそんなにありません。年齢も年齢なので、自分でできることを、動けるうちはやりたいという気持ちです。函館もとても大変です。母子家庭の方を対象にしたアンケート調査を行いましたが、深刻な状況です。そうした方たちに、なんとか食品を届けたい。私たちの活動を知って、給付金の10万円を寄付するという方もいらっしゃいます。情報を届けて、余裕のある人から支援をいただけると嬉しいです。

井上:取り組みを開始した初期に大手の企業を回った際、スーパーの経営者から、こんなお話をいただきました。「賞味期限が切れたものは提供できるけれど、切れていないものは『お金』。だから、協力したいと思っても、なかなか出せないんだよ」と。また、他の企業さんでは「自分の会社はこの地域で営業している以上、貢献する必要があると考えています。少ないけれども、いいですか」とおっしゃっていただいて、決して少なくない食品をいただいています。命を取られるわけではないので、がんばってやっていきましょう!

 

btn_01project2.gifコロナ禍による影響、変化など~参加者からの質問

― 活動資金に関して、ボランティアの活動費として活用できる助成金等を探しているとのことでしたが、どういったところで情報をお探しですか。

中森:インターネットで検索すると、いろいろな助成金の情報が出てきます。とにかく情報を集めることが重要です。この助成金であれば受けられそうかなと思ったりしながら、当たって砕けろという気持ちで申請しています。

 

― すまいるはーとの根本さんにおうかがいします。ひとり親世帯に食品を提供する際に、児童扶養手当証書などの証明書を確認されているのでしょうか。自己申告でしょうか。

根本:証明書は特に確認していません。いらっしゃっているのはシングルマザーの方であると信用してお渡ししています。食品よりもむしろ、交流する場を提供したいというのが私たちの気持ちですし、私たち自身も楽しんでいます。
他の皆さんは、証明書を確認されていらっしゃいますか。

中森:有志の市民グループ「函館東こどもサポートクラブ」と活動をご一緒した時のことを紹介します。北海道行政書士会函館支部さんからお米をいただけることになり、母子家庭世帯の支援を行うことにしました。その際も、私たちの活動に関わってくださっている市議さんが函館市役所子ども未来部に掛け合って、手当の申請書類を発送する際に、チラシを同封してもらいました。そのチラシを持ってくれば、食品をお渡しするようにしました。
「函館東こどもサポートクラブ」に登録している母子家庭は、昨年は約120~130世帯でしたが、現在は250~260世帯と聞いています。

井上:別の話題になりますが、フードバンク事業で最も集まりにくい食品がお米です。主食なので、最も集めたいのですが、スーパーで精米されたお米は、2週間経つとお煎餅屋さんにまわるというようなルートが確立しています。これは困ったなと思いました。
そういうときに、旭川では農家と年間契約で玄米を購入している人が多いことが分かりました。その都度、必要に応じて20kgほど精米して食べている。個人の方から「玄米だったらあるよ」と連絡があったんですね。例えば、息子さんが進学や就職で家を出ると、その家庭でお米がだいぶ余る。ただし、提供いただけるのは玄米で、私たちには精米できない。
実はたまたま、事務所の裏側にお米屋さんがあり、親しくしていました。相談すると、「玄米を持ってきてくれれば、精米して小分けにしてやるよ。それくらいしかできないけれども、それでもいいかい?」とおっしゃってくださった。それで、お米が不足するようなことはなくなりました。このように地域の社会資源を有効に使わせていただけることもあるので、千歳の皆さんもぜひ、いろいろ情報を探ってみてください。

 

― 市議会議員や市役所の方とつながるコツはありますか。

井上:議員さんはSNSで情報発信をしている人もいます。まず友達になりましょう。こんな活動をしていて、こんなPRしていますよと、どんどんプッシュして良いと思いますよ。私たちは、函館の取り組みほど、強力に市議の力をお借りしているわけではないですが、お力添えをいただいています。
また市役所とは、環境部署が廃棄物削減の観点から接触してくれることになりました。実は新型コロナウイルス感染症がまん延する前に、旭川市民にお知らせしようという話が進んでいました。具体的には市内7か所で、市民向けの説明会を開催する予定でした。残念ながら中止になりましたが、市役所のホームページに、団体ホームページへのリンクも含めた活動情報を掲載されています。
議員さんも市役所も、きちんと活動していれば、きちんと応援してくれる人とつながります。まずはホームページやSNS等を使って情報を発信して、どんどん結び付いていくのが重要だと思います。

中森:議員さんとは昔からの付き合いがありました。生活困窮者の支援活動の関わりで市役所や社会福祉協議会ともつなげていただき、市役所の中でも活動が知られていくということがありました。新聞社などにも積極的に情報発信しています。

根本:私たちの活動も、市役所の方から「何かお手伝いがあれば」「企業からお話があれば、おつなぎします」と言っていただけるようになりました。皆さんに活動を知ってもらおうと、がんばっているところです。

 

― 活動を紹介する媒体を用意しておくことは重要だと感じました。他に共有したいことはありますか。

中森:最初の活動紹介の話題に戻りますが、先日、釧路方面の60人程の技能実習生の方から、支援してほしいという連絡がありました。道南の技能実習生を支援している湯川カトリック教会の担当者と相談しましたが、教会も釧路方面では活動ができていないとのこと。その後、一般社団法人JOY(函館市)が支援してくれるということで、ひと安心しています。
技能実習生の方まで目が向かないところもありますが、彼らの中でも食べることさえ難しく、仕送りも満足にできない状況にある方もいます。道内で働いてくれる人が多くなっていく中で、共生できるような社会になればよいと考えています。各団体で連携して、支援するようにできればと思います。

井上:同じ内容だと思われる相談がこちらにもありました。距離の遠さもあり、期待には沿えない旨、返事をしました。
技能実習生のみならず、コロナ禍になって家庭の屋台骨を支えていた方の失業、失職による支援要請が増えています。困っている人が声をあげやすい環境もなければ、行政に相談窓口があるということも知られていない状況です。
私たちの活動には個人の方からの相談もありますが、一度、行政に支援の要請をしていただく流れになっています。どのように支援を必要とする人を見つけていくか、つなげていくか、難しい部分があると思います。母子家庭の方たちにも。遠慮なくこの仕組みをつかってもらえればいいなと考えています。

根本:私たちの活動でも「なぜひとり親世帯だけが対象なのか」という声があります。心苦しいのですが、現状をお伝えしてお断りしています。

 

― コロナ禍の前後でのニーズの変化、活動への影響(協力者、支援者)を教えてください。

井上:コロナ禍によって支援要請はもちろん増えています。もう少し詳しく言うと、世帯数が増えています。これまではお一人世帯の方が多かったのですが、一家での支援要請です。例えば5人家族でしたら、1、2週間分の食品はそれなりの量になります。1回では運ぶのは難しいので、2回に分けたり、支援要請を繋いだ団体に運んでもらったりしています。そういう支援要請が、ここ1、2年と増えたと感じています。

根本:「もったいないわ・千歳」の活動でも、千歳空港の関係でかなりの量のお菓子などの「お土産」を提供いただきました。市内の幼稚園に配布できるほどの量でした。現在は利用者の減少に伴って生産調整をしているようで、入らなくなってきています。

中森:支援要請はやはり増えています。母子家庭を支援している団体に登録されている方も、これまでの倍くらいになっています。
私たちは、大きなフードバンク活動団体のように、継続的、定期的に支援するところまではできませんので、生活保護の受給までの1~2週間、市などからの要請があって支援をしています。もう少し食品が集まれば困っている方に届けることができるのに、と思います。いかにものをいっぱい集めるかをいつも考え、PRしたり情報を集めたりする日々です。

 

― 他の地域のフードバンク活動団体との連携(情報交換、食品提供など)はありますか。

中森:昨年だったと思いますが、東京のフードバンク活動団体から情報提供があり、アルファ米5kg箱を200箱ほどいただくことができました。大変助かりました。
今回の座談会も、フードバンク活動団体同士でつながろうという呼びかけがあり、参加しました。お互いにものが余っていれば、物資の交換ができればとも思います。
ただやはり、総務省と農林水産省など行政は縦割りで、融通が効きにくい。総務省でフードバンク活動に関するアンケート調査を実施しているので、そうした課題の解消をして支援してほしいと回答しました。

井上:昨年、富良野市で「フードバンク富良野」という団体が立ち上がりました。持続可能なフードバンク活動を目指したいということで、私たちのオペレーションの仕方について情報提供しました。私たち自身は旭川市内での活動ですが、社会福祉協議会間で情報共有されたようです。富良野市は、じゃがいもの一大生産地でもあるので、大量に提供いただきました。

根本:私たちは、引き続き「もったいないわ・千歳」から勉強させてもらい、活動面でもいろいろアドバイスをいただいています。取り組み方が少し違っても、同じフードバンクの取り組みなので。

 

― 今後の展望について、お話をお聞かせください。

根本:立ち上げたばかりの団体なので、少しずつ、皆さんに知っていただくということが第一です。支援する側も、支援される側も、お互いに笑顔になれる「第三の場所」が実現するよう、頑張っていきたいと思います。

河津:学生の皆さんにもボランティアで参加してもらっているので、若い人たちの力も借りて、継続していける活動になればと思います。

中森:ものが少しずつ集まってくるようになりました。活動開始当初は、お米が1トンくらいでしたが、2021年度は10トンくらいになっています。もっともっと支援できればいいなと考えています。身体が動くうちは頑張ります。

井上:いまは食品を提供していただく量と、提供する量、おおむね均衡している状況です。ただ、支援を必要としていながら、フードバンク活動を知らない人もいます。社会の受け皿としてフードバンクが知られていくと、必要とされる量も増えていきます。
それに対応するために、これはフードパントリー事業の一環になると思いますが、大なり小なり、色々な企業に、職員の皆さんから食品を集めていただくような仕組みをつくりたいと考えています。

 

ー 本日は長時間、お話をいただきありがとうございました。
座談会記事(1)は  
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btn_01project2.gif北海道中間支援ネットワークって?

今日の座談会を主催する「北海道中間支援ネットワーク」の前身は、コロナ禍への対応を考えて生まれた道内の中間支援センターの連携団体「コロナアクション」です。「コロナアクション」では道内の中間支援センターが定期的に集まって、新型コロナウイルス感染症の地域への影響や支援の状況などを共有し、対応策を考えたり、市民活動団体を対象としたアンケート調査を実施して、道庁に対して調査結果を踏まえた要望などを行ってきました。
コロナ禍がもたらした地域社会の混乱はまだまだ収まっていませんが、「コロナアクション」の取り組みを発展させて、全国の中間支援センターとも情報共有を行い、道内で普段から学び合えるような活動ができればと、昨年度「北海道中間支援ネットワーク」を設立しました。市民活動を支えるプラットフォームとして、全道的に力をあわせて取り組んでいきたいと考えています。

 

 

記事作成
溝渕清彦(みぞぶちきよひこ)
環境省北海道環境パートナーシップオフィス(EPO北海道)

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2022 / 05 / 09  13:11

[座談会企画]道内地域におけるフードバンク活動のいま(1)

[座談会企画]道内地域におけるフードバンク活動のいま(1)

国内では2000年頃から、食品の製造や加工の過程で発生する規格外品等を引き取り、福祉施設等へ無料で提供する「フードバンク」と呼ばれる活動が広がりました。まだ食べられるにも関わらず、食品が廃棄されてしまう、いわゆる「食品ロス」削減の観点から、国では農林水産省が中心となって活動を支援しています。新型コロナウイルス感染拡大の長期化により、生活困窮者に向けた有効な支援策としても期待されています。

前身である北海道内中間支援組織「コロナアクション」として開始した座談会も、今回で3回目となりました。第3回座談会では、地域でフードバンク活動を展開している道内の3つの団体に、オンラインでお集まりいただきました。取り組みを始めたきっかけや具体的な活動の内容、いま抱えている課題やこれからの展望についてお話をうかがい、中間支援ネットワークとして活動の実態を学ぶとともに、課題を解決できるよう、活動団体同士や関係機関との連携・協働を考えます。

※この企画は2022年2月26日に開催しました。2回に渡って記事を掲載します。

右写真:スピーカーの皆さん
(上左から、中森さん、河津さん。下左から、根本さん、井上さん)

 

btn_01project2.gifスピーカーの皆さん

 

フードバンク千歳 すまいるはーと(千歳市)

代表 根本幸枝(ねもとゆきえ)さん、副代表 河津佳澄(かわづかすみ)さん   

       

NPO法人ピーシーズ(フードバンク旭川)(旭川市)

理事長 井上俊一(いのうえしゅんいち)さん 

 

フードバンク道南協議会(函館市)

事務局長 中森 司(なかもりつかさ)さん

 

 

◆主催:北海道中間支援ネットワーク

・座談会進行:竹田剛憲北海道立市民活動促進センター

       丸藤 競函館市地域交流まちづくりセンター

・記録:溝渕清彦環境省北海道環境パートナーシップオフィス

 

 

btn_01project2.gifひとり親世帯のフードパントリー事業「0円スマイルマルシェ千歳」 

フードバンク千歳 すまいるはーとの活動について教えて下さい

根本:私は千歳生まれの千歳育ちで、普段は幼稚園教諭をしています。千歳駅前で、人と人が本を通じてつながる「まちライブラリー@ちとせ」のスタッフとしてもつとめており、1月に再開しました。本日は副代表の河津佳澄さんと参加します。よろしくお願いします。

私は2年前に「フードバンクネットワーク もったいないわ・千歳」の活動に参加して、2020年4月から2021年9月まで理事を務めました。「もったいないわ・千歳」は2010年8月に市民活動団体として設立され、2020年にNPO法人になりました。企業の期限切れの食品や農家の規格外の野菜を破棄するのはもったいない、福祉団体や生活困窮者に有効に活用してもらおうということで発足した団体です。

ボランティア活動をする中で、私たちは特にひとり親世帯のフードパントリー事業(何らかの理由で十分な食事を取ることができない状況の人々に食品を無料で提供する支援活動)に取り組みたいと考え、2021年10月に賛同したメンバーで「0円スマイルマルシェ千歳」を開始しました。
今後も必要とする方に長く支援をしていきたいと考え、2021年12月に市民団体「フードバンク千歳 すまいるはーと」を立ち上げ、千歳市に登録しました。いまは正会員7名と、学生ボランティア3名で活動しています。

「0円スマイルマルシェ千歳」を始めたのは、それまでの活動の中で、支援を受ける方たちからマイナスな言葉ばかりが耳に入ってきたからです。例えば「申し訳ない」や「恥ずかしい」、「こういうものをいただいているのを見られて、子どもがいじめられたら困る」とか「私たちより困っている人がいるのではないか」というような言葉です。そんな気持ちにさせることなく、必要としている人に、必要としているものを支援して、少しでも笑顔になってもらいたい。みんなで助け合い、地域社会で子どもたちの成長を見守ることができればいい。そういう思いで開催したのが「0円スマイルマルシェ千歳」です。

また私は、絵本を通じて人を笑顔にすることや、人をつないで交流できる安全な場所づくりをしたいと考えていました。職業柄、絵本が大好きで何百冊も手元にあるので、「もったいないわ・千歳」さんの事務所を借りて、個人で「えほんらいぶらりー千歳」をオープンしました。全国のまちライブラリーと連携し、親子の交流の場づくりなど、絵本を通じた支援をしています。

1回目の「0円スマイルマルシェ千歳」は、商店街振興組合の場所を借りて実施しました。たくさんの企業や個人の方から、食品や生活必需品が集まりました。養鶏農家のモチツモタレツ(長沼町)さんから卵を、八森ファーム(栗山町)さんからはお米をいただきました。告知には北海道新聞や地元情報誌が協力してくださり、自分たちでもチラシをつくってSNSで情報発信を行いました。
1回目はシングルマザーへの無料配布ということで、千歳市内の50世帯を支援しました。頑張っている地元の企業や団体を応援したい気持ちもあり、協力いただいた商品を並べて親子で選んでもらう方式にしました。また「食品ロス」のことも考えてほしいと思い、参加した方には必要なものだけを持っていっていただくようにしました。親子で「これは必要だ」「これは家にあるからいらない」というように話し合って、最低限、必要なものを選んでもらいました。
「0円スマイルマルシェ千歳」には、たくさんの方から賛同、支援をいただき、必要とされる活動だということを、あらためて感じました。その後はシングルマザーに限らず、ひとり親世帯を対象に取り組み、10月から最近まで月に1回開催しています。

シングルマザーには、なかなか自分の時間を持つことができない、相談できる人がいないという悩みがあります。いまでも申し訳なさそうに来場される方もいます。食品の配布だけではなく、お弁当の配布や子ども食堂を開くなど、気軽に、安心・安全に参加できる「第三の場所」をつくり、恥ずかしいという気持ちや、子どものいじめが起きないよう、地域社会で子どもたちの成長を見守ることができればと思います。そうした社会づくりに向けて、今後もスタッフで取り組んでいきますので、ぜひ応援をお願いします。

 

btn_01project2.gif継続性のあるフードバンクのしくみを 

ピーシーズ(フードバンク旭川)の活動について教えて下さい

井上:旭川でフードバンクに取り組んでいます。私どもはフードバンク事業を、どのように切れ目なく、継続して活動できるかを最初に考えて事業を設計しました。無料でいただいたものを無料で配るので、そこに利益は出ませんよね。活動の継続性を考えたときに、かなり困難だろうと思いました。
実は最初は「フードバンク」という言葉を知りませんでした。「食品の再分配活動」という表現で、銀行から融資を受ける際、担当者から「それはフードバンク活動ではないですか?」と助言がありました。「いろんな方から善意でいただいた食品を、困窮されている方に活用する事業ですよ」と教えてもらい、「フードバンク」という言葉を使うことにしました。

私はもともと障害者の就労支援事業、就労継続支援と就労移行支援に取り組んでいる社会福祉法人の職員でした。その時に、まだ食べられるのに捨てられる余剰食品が、世の中にはいろんなパターンで存在するということを知りました。一方で、生活困窮者の方たちに、食品が十分に行き渡っていないという現状を目の当たりにして、その中継ぎができないかと考えました。
ただし、それは継続性がない、一過性のものだとよくないなと。それで考えたのが、フードバンクに関わる作業自体を、障害者の就労支援として取り組む方法です。普段、支援を受ける側のメンバーたちが、寄付された食品を、消費期限別に棚に並び替えたり、あるいは支援者が来たら、世帯毎に食品を何日分、例えば運動部の活動をしている子どもさんもいるよということであればたくさん食べますので、そうした家族の構成によって、食品をまとめて、お渡ししたりします。こういった作業を就労支援事業として取り組むことによって、ベースとなる受け皿が安定して運営できるのではないか、と考えました。

フードバンク事業を開始したのは2016年です。このころは非常に微妙な時期で、あるファストフードチェーンの食品消費期限偽装が取りざたされました。道内では、食品加工卸売会社が廃棄冷凍コロッケを買い取って出荷する大事件もありました。ですから、企業をまわって食品の提供のお願いをしても「横流しされたら、どうもならんよな」という反応をばんばん受けた時代でした。もちろんその一方で、活動を理解してくださり、「余剰が出たときに提供するよ」という企業もありました。

ただ企業からだけでは、必要とする食品が集まりにくいという課題があるので、市民参加型の取り組みも強化することにしました。たまたま事務所の近くに一軒、銭湯がありまして、相談に行きました。すると当時、旭川では二十数軒の銭湯が加盟していた「旭川浴場組合」を紹介いただいたんですね。銭湯は昔ほどではありませんが、地域ごとの社交場としての役割があります。そこで、フードバンクの取り組みに協力していただけないか、銭湯に来た人が自宅にある余剰食品を持ってきてもらえるよう、食品の回収ボックスを置かせてほしいと、組合長さんに相談すると「おもしろいね、やってみようか」と話に乗ってくれました。5軒ほどが参加してくださり、ボックスがいっぱいになると銭湯から連絡を受け、回収に行く取り組みがスタートしました。
最近では2週間に1回、回収しています。もちろんその前に満杯になれば、就労支援の作業の一環として回収に向かいます。就労支援のメンバーたちも、支援をする側にまわるという体験をリアルにできます。こうした活動を実施して、はや5年が経ち、今年6年目に突入しています。

 

btn_01project2.gif強みを活かし市内4団体での連携  

フードバンク道南協議会の活動について教えて下さい

中森:私たちは2018年2月に活動を始めました。一般財団法人北海道国際交流センター(HIF)と一般財団法人函館YMCA、NPO法人ワーカーズコープ茜(あかね)、北海道高齢者協同組合(高齢協)道南地域センター「茜」という、函館市内4団体で協議会を構成しています。ワーカーズコープ茜は、生活困窮者の自立支援の事業を市から受託しています。高齢協は、高齢者のサークル活動を支援しています。また、動けない方のお宅の除草、除雪等のお手伝いをするなどの事業を行っています。私はNPO法人ワーカーズコープ茜と、高齢協道南地域センターの代表をしつつ、フードバンク道南協議会の事務局長をしています。函館市社会福祉協議会には後援をお願いしています。

最初は2018年4月くらいから、食品を入れる箱を置いてもらえないかと相談しに、町内会を20か所ほどまわりました。なかなかうまく協力を得られませんでしたが、現在4つほど、町内会館に箱を置かせてもらっています。箱に入れていただいた食品を取りに行くというところから活動を始めました。
最初はなかなかものが集まらない中で、主に子ども食堂や児童養護施設など、子どもを支援することから活動を始めました。現在は生活困窮者からのニーズが多くなりましたので、そちらの方に支援の重点を移しています。

活動を開始して1年目は、食品は1トンも集まらない状況でした。地道に活動を続け新聞にも掲載され、市民や企業からも協力をいただけるようになりました。今年度は例えば、北教組渡島支部さんからお米10万円分、函館白百合学園高校福祉局さんからもお米10万円分、北海道太平洋生コン(函館市)さんから約1.7トンのお米をいただいています。先日は北海道行政書士会函館支部さんから700kg(昨年に続いて2回目)のお米、函館法人会さんからも約1.65トンのお米と缶詰、麺類、牛乳をいただいたりして、多くの団体に集まったものを提供しています。ときどき、函館市漁業協同組合青年部長からは取れたての魚を、函館市亀田農協さんからは新鮮な野菜をいただいています。週3回美味しいパンも提供してもらっています。

私たちは、いただいたものを各家庭に届けるのではなく、函館にはたくさんの支援団体があるので、そういった団体と提携して、食品などをお渡ししています。提供先には、前述した子ども食堂などがあります。いまコロナ禍で、子ども食堂ではほぼテイクアウトになっています。それから児童養護施設2か所、ウィメンズネット函館、更生保護施設2団体、青少年の自立支援2団体、フードパントリー1団体、函館市や北斗市、七飯町で母子家庭を支援している各団体とも提携しています。この他、道南在住の技能実習生約50人を支援している湯川カトリック教会に物資を提供しています。

函館市生活支援課や函館市社会福祉協議会から、生活保護を支給したいが、お金が出るまで2週間程かかるので、その間の食品をなんとかできないかという相談も時にあり、こちらから担当者に食品をお渡しすることもあります。

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 btn_01project2.gif活動に対する地域の理解と連携

ー 団体によって、対象の軸がシングルマザーであったり、就労支援事業と接続したり、技能実習生の支援も行っていたりと、それぞれの特徴があると感じました。井上さんにおうかがいしたいのですが、旭川では銭湯にボックスを置いていただいたとのこと。浴場組合の協力はどのように得たのでしょうか。 

井上事務所の近所の銭湯の方から、エリアの組合長と調整することが重要だと助言いただきました。そこで組合長とは「いま銭湯の利用者がどんどん減っているが、このように工夫をして人を集めている」という話や「昔は近くの農家の母さんが漬物を持ってきてお風呂上りにみんなで食べたり、情報交換したりするというような役割があった」という話をしていく中で、「ぜひ協力しましょう」と言っていただけました。ただ、小規模の銭湯では「ボックスを置くスペースがないよ」というところもありますので、比較的大きい銭湯が手を挙げてくれました。
月に1回、浴場組合の会合があって、その場でプレゼンして、皆さんにご理解いただきました。実は組合長さんがある程度、大きな銭湯には根回しをしてくれていたそうです。そうして活動開始当時は5か所、いまは残念ながら1か所が廃業され4か所になりましたが、ご協力をいただいています。

 

ー 千歳では、商店街振興組合連合会の場所を借りて実施されたとのことですね。こちらはどのように協力いただいて、どのような成果がありましたか。

根本:私たちの活動を理解してくださったニューサンロード商店街振興組合の方が、会場を貸してくださいました。資金のない団体ですので、安価にお貸しいただけたのでは大変ありがたいです。また、その方が商店街振興組合の会長さんや周りのお店の方、町内会の方もご紹介くださいました。そのおかげで人の輪が広がり、いろいろなご支援をいただきました。
シングルマザーは若い方が多いです、マルシェをきっかけに商店街に足を運び、お店を知り、商店街とつながりができたのはよかったです。ただ、空き店舗も多い通りですので、マルシェの後に、立ち寄るところがあまりないというのが現状です。

 

― 函館は4団体で協議会を設立していますが、連携はスムーズでしたか。また、町内会との連携の難しさについて、ぜひ詳しく教えてください。

中森:HIFは「生活就労サポートセンターひやま」(江差町)を運営しているなど、構成団体それぞれが困窮者支援、子ども支援に携わっており、顔見知りでもあったので、呼びかけにすぐに応じてもらえました。
最初は町内会をまわって、「子ども食堂や児童養護施設を支援したいので、食品を入れていただく箱を置かせてください」とお話ししました。ただ、子ども食堂に対する理解は、いまよりははるかに低く、「子どもたちがみんな困っているわけではないでしょう」と言われたこともありました。
確かに、昔のようにツギハギの服を着ているわけではないので、見た目では分かりませんよね。でも本当は、困っているかもしれません。それにいまは孤食の問題もあるので、みんなで楽しく食べる体験を味わってもらえる子ども食堂の取り組みは、非常に大事です。しかし当時は、そうした理解がいまほどはありませんでした。今年になって七飯町大沼で子ども食堂ができましたし、江差町でも動きがあるようです。全国では約6,000か所、子ども食堂があるとされており、さらに増えているようなので、それだけ理解も深まってきていると思います。

 

ー(2)に続きます。

座談会記事(2)は  btn_kotira4.gif
 

 

btn_01project2.gif北海道中間支援ネットワークって?

今日の座談会を主催する「北海道中間支援ネットワーク」の前身は、コロナ禍への対応を考えて生まれた道内の中間支援センターの連携団体「コロナアクション」です。「コロナアクション」では道内の中間支援センターが定期的に集まって、新型コロナウイルス感染症の地域への影響や支援の状況などを共有し、対応策を考えたり、市民活動団体を対象としたアンケート調査を実施して、道庁に対して調査結果を踏まえた要望などを行ってきました。
コロナ禍がもたらした地域社会の混乱はまだまだ収まっていませんが、「コロナアクション」の取り組みを発展させて、全国の中間支援センターとも情報共有を行い、道内で普段から学び合えるような活動ができればと、昨年度「北海道中間支援ネットワーク」を設立しました。市民活動を支えるプラットフォームとして、全道的に力をあわせて取り組んでいきたいと考えています。

 

 

記事作成
溝渕清彦(みぞぶちきよひこ)
環境省北海道環境パートナーシップオフィス(EPO北海道)

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2022 / 04 / 07  09:48

【4/20.27オンライン説明会】北海道NPOファンド・地方における学習・能力向上機会の拡充による選択格差の解消【休眠預金等活用法助成】

【4/20.27オンライン説明会】北海道NPOファンド・地方における学習・能力向上機会の拡充による選択格差の解消【休眠預金等活用法助成】

※公募開始前のプログラムです。

認定NPO法人北海道NPOファンドは、一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)の2021年度通常枠公募(第2回)の休眠預金等活用法に基づく資金分配団体に内定しました。
事業期間は2022年から2025年までです。

事業名は「地方における学習・能力向上機会の拡充による選択格差の解消~小中を通じた「なりたい自分」の選択視野を広げる地域教育」です。

本事業の連携団体は北海道NPOサポートセンター、コープさっぽろです。
採択見込みは3団体、助成額は1団体あたり3年間で総額2000万円を予定しています。


btn_01project2.gifオンライン説明会

  1.  4月20日(水)10:00-11:30
  2.  4月27日(水)19:00-20:30

申込フォーム https://forms.gle/TH6bc46tCGryvLKe7

 

 btn_01project2.gif事業計画・事業計画

応募を考えている団体さんはぜひ「事業計画」をご覧ください。本事業において求められる活動が記載されています。
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2022 / 04 / 01  11:13

[インタビュー]働くことについて、気楽に真面目な話をする場~ハタモク北海道 中田さん

[インタビュー]働くことについて、気楽に真面目な話をする場~ハタモク北海道 中田さん

NPO法人ハタモク北海道
学生と社会人が働く目的を語り合う「ハタモク」事業
(令和3年度札幌市市民まちづくり活動促進助成金 さくらマネジメントグループ基金助成事業)

 

北海道の学生と社会人で「何のために働くのか」を気楽に真剣に語り合える場を創る、増やす活動を行っているNPO法人ハタモク北海道を取材しました。働く目的や意味を考えるきっかけや、社会人との交流の機会としてワークショップ『ハタモク』を開催しています。

今回はオンラインにて、代表理事中田隆太なかたりゅうた)さんにお話を伺いました。

 

  

btn_01project2.gif学生と社会人が、働くことについて自由に話をする場をつくる

― まず、ハタモク北海道の活動について教えてください

『ハタモク』というワークショップ形式のイベントは、東京でスタートしたものです。東日本大震災があった2011年に、学生と社会人の交流の機会や、働くことについて、気楽に真面目な話をする場が必要ということで開始し、全国各地で開催されています。私は、たまたま縁があって、2012年に東京で開催されていた会に参加して、「北海道でもやりたい!」という思いを抱きました。

東京のメンバーの協力を得ながら、2013年に北海道で初めての『ハタモク』を開催しました。その後、学生と社会人が、働くことについて自由に話をする場をつくることを目的として、2年ほど任意団体として活動し、2016年にNPO法人として再スタートしました。

私自身は、大学で就職支援の部署で仕事をしているのですが、学生の中には、働くことについて考える機会を持つことができないまま就職活動に入り、「内定を取る」ことが目的になってしまっている人もいます。就職に関するセミナーの中心は、面接の方法やエントリーシートの記載方法といったものになってしまいがちです。そして、「身近な社会人」というと、保護者やアルバイト先の人がどうしても中心になってしまいます。「社会人」と一言で言っても、いろんな人が世の中にいる。『ハタモク』は、そういう人たちと関わる機会をつくるイベントでもあります。

以前は、参加者の中心は大学生でしたが、最近は高校生が増えてきました。札幌だけではなくて、全道に展開中ですが、エリアによって、参加者層が異なります。旭川では高校の先生がメンバーにいるため、高校生の参加者が多いですね。

現在、スタッフとなっているメンバーは15人ほどで、高校生・大学生・20代~50代の社会人が入れ替わりながら運営しています。新しいアイディアは若いメンバーから出されて、「やりたい人ベース」でパッとスピーディーにやる傾向があります。オンラインでの『ハタモク』開催も、「とりあえずやってみよう!」という声が上がり、昨年チャレンジしました。SNSの活用や、オンラインと対面でのハイブリッドでの開催も、学生メンバーからの提案でした。

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 btn_01project2.gifハイブリット形式での『ハタモク』開催

― 今回の助成事業について教えてください

以前の『ハタモク』では、参加者同士は近距離で、膝を突き合わせて話をしていたので、かなり密な状態となっていました。当然、コロナ禍では同じような対面での開催が難しくなり、2020年度は完全オンラインで数回開催しました。しかし、あらためてオンラインだけではなく、対面での交流も機会も必要と感じました。

徐々にイベント開催に際しての感染症対策や、参加方法の選択肢も増えてきたので、助成事業の内容は、オンラインと対面のハイブリット形式での『ハタモク』開催です。グループに分かれて話し合いをするので、オンライン参加の方がどのような形で参加できるか、そのための環境整備のための備品調達などが必要になり、助成申請しました。

既に6月と10月に実施しており、次は12月に開催を予定しています。開催形式は、会場の収容人数に対して、対面での参加者数を限定した上でオンライン参加者を募り、ライブ配信でつなぐという形です。会場全体を写すカメラや、音声がしっかり入るように性能の良い集音マイクを用意して、オンライン側も会場側も差が出ないように、運営側としては万全の準備をしました。やってみたら「意外といけたな」という感じでした(笑)。感想や参加者からのリアクションには、対面開催時と、あまり差はみられなかった印象です。

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btn_01project2.gifこれからの社会がどのように変わっていくのか

― コロナ禍において、活動への影響や学生の様子はいかがでしょうか?

以前はイベント開催だけでなく、高校の探求学習などで社会と接する機会を通じてイベントの開催・運営に興味を持った生徒の活動をサポートしていたこともありますが、コロナ禍における『ハタモク』の活動としては、あまり変わっていません。

2020年は、小中学校も含めて一斉休校にもなり、それが新年度とも重なって、新しい環境においても、「なにもできない」というストレスや不安を感じている学生が多かったと思います。その時に、最も「だれかと話をしたい」というニーズが高まったのではないかと感じています。いま置かれている状況下で、外とのつながりを求めている感は強いです。コロナ禍2年目になり、オンラインの活用や対面での機会が増えてきたことにより、1年目ほど「困った・困った」という雰囲気は減りましたが、『新しい生活様式』でこれからの社会がどのように変わっていくのか、これまでやってきたことがどのように変化していくのか、より真剣に考えるようになりましたね。

 

btn_01project2.gif「やりたいひとベース」で動く

― 運営上の課題や、今後の活動について聞かせてください

コロナ禍以前は、網走や函館、室蘭などでも開催していたので、また道内の他の地域でも開催したいと考えています。ハイブリッド形式だと、開催地に限らず全道から参加できるので、より多くの人に参加してもらいたいと思っています。

運営メンバーに専従のスタッフはおらず、全員が社会人か学生で、ボランティアで関わっているため、どうしても時間の制約があります。平日に様々なところを訪問して打ち合わせすることは難しいですね。また今後、感染症の状況が落ち着き、移動ができるようになると、宿泊費や旅費がかかるのでそれはそれで、課題です(苦笑)。

専従スタッフを置くとなると、かなり大きな舵を切ることになりますね。今の活動は、人を雇う規模ではないと思っています。学生を対象とした事業なので、受益者負担では限界がありますが、就活イベントとは違うので、企業関係者や社会人も、あくまでも個人としての参加をお願いしています。

開催頻度が多くなったり、助成金を受けると、正直なところ事務的な負担は増えますが、今のところは、今後も、私たちの考え方に共感してもらい、「やりたいひとベース」で動くという、現在のスタイルを継続していく方向で考えています。

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インタビューを振り返って
高校生や大学生のうちから、働くことについて社会人と話せる場をつくる、という活動はこれからニーズがますます高まると思います。また、「やりたい人ベースで動く」スタイルは、参加する社会人にとって魅力的でしょうし、その中で若い世代がどんどんアイディアを出しているということで、好循環を生み出していると感じました。学生、社会人の力を活かすという意味で、参考になるお話が聞けたと思います。(高山)

 

インタビュアー 
高山大祐(たかやまだいすけ)
北海道NPOファンド
※インタビューは、2021年11月18日にオンラインにて行いました。

 

記事作成
佐藤綾乃(さとうあやの)
支援協議会事務局

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2022 / 02 / 14  09:00

【2/14募集開始】令和4年度 さぽーとほっと基金・新型コロナウイルス感染症対策市民活動助成事業

【2/14募集開始】さぽーとほっと基金・新型コロナウイルス感染症対策市民活動助成事業

さぽーとほっと基金・新型コロナウイルス感染症対策市民活動基金
令和4年度の助成事業募集を開始しました。

さぽーとほっと基金は、札幌市が募集し、町内会・ボランティア団体・NPOなどが行うまちづくり活動に助成することで、札幌のまちづくり活動を支える制度です。

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新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、札幌市内でも様々な分野で危機的な状況が続いていますが、市内には、感染症リスク低減対策を実施しつつ、新型コロナウイルス感染症対策に関する活動を行っている、または実施を検討している市民まちづくり活動団体があります。
 
新型コロナウイルス感染症対策市民活動基金は、こうした活動を応援することによって、新型コロナウイルス感染症による影響を受けた方々を支援するため、また、札幌市の市民まちづくり活動を今後も活性化させるため、「さぽーとほっと基金」内に設けている基金です。

2020年度に助成を行った団体は、29団体。助成合計額は3,000万円となりました。

こちらのページにて、詳細を掲載しましたので、ぜひご覧ください。

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(助成を受けたい > 札幌市内の活動 に掲載)

 

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