団体からのお知らせ・インタビュー

2023 / 06 / 30  14:31

[インタビュー]対話の中から感じてもらう~サステナビリティ・ダイアログ 牧原さん・清山さん

[インタビュー]対話の中から感じてもらう~サステナビリティ・ダイアログ 牧原さん・清水さん

一般社団法人サステナビリティ・ダイアログ
宇宙船地球号ミッション! 2022秋~SDGs・環境教育ワークショップ
(令和4年度札幌市市民まちづくり活動促進助成金 子どもの健全育成分野)

 

一般社団法人サステナビリティ・ダイアログは、社会が無理なく続いていくためのサステナビリティ(持続可能性)、必要な知識や智恵をたくさんの人と共有・創造・実践できる場をつくるためのダイアログ(対話)を重視し、持続可能な社会を実現するための知識・認識に関する教育の研修やワークショップなど実施しています。

今回は、代表牧原百合江(まきはらゆりえ)さん、このプロジェクトの事務局の清山美咲(きよやまみさ)さんに話しを伺いました。

 

※右写真:宇宙船地球号ミッション、プログラムの様子

  

btn_01project2.gif『持続可能』ってなに?

― まず、サステナビリティ・ダイアログの活動について教えてください

サステナビリティ(持続可能性)を高めるためのダイアログ(対話)の実践を呼びかけながら、大きく3つの活動を行っています。
①地球を1つのシステムとして包括的に理解する知識の普及
②自然/社会環境問題に協働で取り組むために本質的な人間関係を構築する仕組みづくりの活性化
③違いを越えて人と人とがつながるための参加型リーダーシップの普及
に取り組んでいます。
特に『持続可能な社会づくり』における「『持続可能』ってなに?」ということについて、フレームワークを使った基礎教育を行っています。そして、大人も子どもも一緒に学んで考えて、対話の練習をしていくということも大事にしています。

 

btn_01project2.gif宇宙船地球号ミッション

 ― 今回の助成事業の内容や経緯について教えてください

主に小学生を対象として、「宇宙船地球号ミッション」と題したオンラインによるワークショップを実施しました。1回目は2時間30分、2回目は3時間、2週に渡って、札幌の子どもたちが、福岡や沖縄の子どもたちと交流しました。他の地域の子どもたちと話すことで、自分が住むまちの成り立ちを、対話から感じてもらうのが狙いです。“教える”という形ではなく、対話の中から感じてもらうための授業となっています。

「宇宙船地球号ミッション!」は、2021年3月に、SD(持続可能な発展/開発)のために必要な知識やスキルを、子どもも大人もそれぞれ一人の”地球人”としてつながって学ぼうという目的でスタートしました。コロナ禍でたくさんの人数は集まれないけれど、全国各地で同じテーマに取り組む子どもたちや、オンラインの先で話を聴いて、グラフィックレコーディングをしてくれる仲間ともオンラインでつながって交流しながら、「みんなが幸せに暮らせるロケットを開発しよう!」というミッションに取り組みました。

当初は札幌だけでの実施でしたが、このプロジェクトへの共感の輪が広がり、現在は北海道から沖縄まで全国各地でつながった対話の場が実現しています。開催地が広がったことで、子どもたち同士で、どこに住んでいるの?という会話から、相手の地域の環境や文化に驚いたり、関心を持ったりということがありました。子どもたちにとっては、些細な違いが新鮮なのだと、あらためて感じます。

このプログラムでは、最後にそれぞれの研究所が考えたロケットをお互いに発表しながら、「自分の研究に役立てたいと思ったポイント」や「いいね」と思ったポイントを見つけていきます。同じ事を他の地域の人もやっている、1つの星でつながっているということを、実感してもらえたのではないかと思います。

工夫した点としては、子どもたちが学びたいように学べる場を支えるために、子ども研究員の見守り役である「ミッションアシスタント」がいるということです。そのために事前の準備や研修など時間をかけて当日を迎えています。当日どのようなサポートがあったら過ごしやすいか、まずは自分自身が当日の流れを体験しながら、会場に必要なものを準備したり、過去にミッションアシスタントをしたことがある人の知恵から学ぶ時間を過ごしました。

ミッションアシスタントは、子育て支援団体に所属している方から中高生まで地域によって様々です。私たちが対話の実践として呼びかけている「参加型リーダーシップ研修」をきっかけに参画される方が多いです。対話の見える化をするグラフィックレコーディングの技術を学んでいる方の参加も多いですし、過去の参加者だった子どもが見守る側(ミッションアシスタント)になっていて、循環が始まっています。

準備段階においては、どのように見守るのか、という点での質問が多かったです。このプロジェクトでは、子どものありのままの声を“聴く”ということを大切にしています。事前の研修や準備段階で、「子どもたちに対して指示しなくても大丈夫か」という不安を抱いていた方もいましたが、終わってみると、これで良かったんだ、という自信、確信が持てたようで、子どもとの関わりについて学びがあったようでした。

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プログラムの様子

 

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他の地域の発表は、オンラインで共有

 

btn_01project2.gif地域における『器』をつくる

― 今後の活動や課題についてお聞かせください

「宇宙船地球号ミッション」に参加したいという子どもたちからの声が増えてきましたが、それを支える『器』、地域における『器』をつくることが課題だと思います。求められたらいつでもできるようにするためのチーム作りですね。このワークショップは、大人1人で子ども50人を見るわけにはいきません。見守る人が増えないとできないミッションです。開催できる地域が限られているのが現状ですが、札幌のNPOとの提携も始まっていて、徐々に広がりを見せています。参加する子どもが増えて欲しいのと同時に、見守る大人も増えて欲しいです。

私たちの活動への関わり方は3つです。子どもは「宇宙船地球号ミッション」に参加する。大人の方は研修への参加や、記録するなど役割をもって関わることができます。

また「マンスリークルー」という形で、継続してご寄付いただける方を募集しています。どの地域でも、ワークブックや研修用動画を作成しているので、運営のためのご支援をお願いしています。

子どもたちが、自分で考え、他の地域の子どもたちとつながろうとしている姿を実際に見ると、きっと驚かれると思います。その感動をぜひ体感していただきたいです。ホームページには活動の様子が分かる動画も公開していますので、興味を持たれた方のご連絡をお待ちしてます! 

 

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インタビューを振り返って
持続可能な社会という大きな目標を目指して、地球を1つの船に見立てたプログラムを用いて、大人も子どもも共に学ぶ活動をされていました。今回の助成事業では、日本各地を結ぶことで、子どもたちがお互いの地域のことに関心を持ったり、距離を感じつつも1つの星に住んでいるという感覚を抱いているようでした。16箇所を結んでのオンラインプログラムの綿密な準備作業のお話しも、とても印象深いものでした。事業名が示唆するように、地域を選ばない活動ですが、各地域で子どもたちとともに活動する方が必要です。ご関心の方はぜひお問合せいただければと思います。(高山)

 

インタビュアー 
高山大祐(たかやまだいすけ)
北海道NPOファンド
※インタビューは、2023年3月30日オンラインにて行いました。

 

 

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2023 / 06 / 29  10:06

[インタビュー]多様性の受容を社会に訴えることで社会の豊かさへつなげたい~さっぽろレインボープライド実行委員会 長谷川さん

[インタビュー]多様性の受容を社会に訴えることで社会の豊かさへつなげたい~さっぽろレインボープライド実行委員会 長谷川さん

さっぽろレインボープライド実行委員会
LGBTパレード開催を通じた、性的マイノリティ当事者の抱える諸問題(存在の否定・孤立・社会制度上の不平等)の解消に関する事業
(令和4年度札幌市市民まちづくり活動促進助成金 まちづくりの推進分野)

 

さっぽろレインボープライド実行委員会は、様々な立場に生きる市民が自分らしく生存できる社会づくりを求め、パレードを通じて、広く社会全体へ訴えかけています。そして、身近にLGBTQが存在することを前提とする社会制度の構築と、多様性を認め合い個性を尊重する豊かな社会の実現を目指しています。

今回は、実行委員の長谷川諒(はせがわりょう)さんにお話を伺いました。

※右写真:2022年のパレードの様子

  

btn_01project2.gifもっと社会全体を巻き込んだ総合性のある活動に

― 今回の助成事業について教えて下さい

LGBTQセクシャルマイノリティ当事者の可視化であったり、権利の主張であったり、当事者間では情報交換や交流を目的としています。昨年9月に、札幌市内中心部の歩行者天国を使って、著名人をゲストに呼び、企業や団体にインタビューをしたり、パフォーマンスであったり、公開メイクショーといったステージイベントやブース出展を行いました。そして、メインプログラムとして、装飾した車の後ろを30~40分かけてパレードを行いました。

 

― このイベントの経過についてお聞かせください

札幌のLGBTQパレードは、実は東京の次に古く、日本で2番目の1996年に始まりました。そのころはまだ、LGBTQに対して理解が低く、あるいはヘイトを向けられるような対象という時代だったと思いますが、権利の主張と存在の可視化というのを強く意識したイベントでした。そこから、少しずつ認知されてくるようになったかなと思います。「LGBTQ」という言葉自体をまったく聞いたことないという方は、今ではほとんど居ないんじゃないかな。

一方で、権利という法で守られた存在ではありません。もっと企業や社会全体を巻き込んだ、総合性のある活動にしたいです。当初は1つのセクシャリティの方しか参加していませんでしたが、今では様々なセクシャリティの方が参加・運営に携わっています。

 

 ― コロナ禍での活動で工夫していることを教えてください

前年(2021年)、前々年(2020年)に関してかなり縮小して実施しました。メインイベント以外ではオンラインのイベントや配信を取り入れてみました。北海道という土地柄、遠方の方や、全国各地の方に参加していただけることもあり、オンライン上でメインのパレードイベントを周知して、二次的な集客に繋がるといったようなことも、オンライン開催でプラスに働いた感じました。運営側としても、比較的お金も掛けずにできることも、オンライン開催の良いところかと思います。

 

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「この街で私らしく生きていく」

 

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メインステージの様子

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テレビ塔も虹色にライトアップ

 

 

 btn_01project2.gifセクシャリティの垣根を超えた交流の場に

新たな気づきや今後の課題を教えてください

私自身が初めてパレードに参加したのは10年以上前なのですが、その時から比べると、社会の雰囲気であったり、大きな企業が関わってくれるようになったというところが、大きく変わってきています。

イベントだけを、ただただ大きくして開催する、というのは意外と出来てしまうんだな、ということを昨年感じました。同じセクシャリティ同士の友達はいるし、同じセクシャリティ間の交流はよくありますが、抱えている問題はセクシャリティによって違うこともあります。もっとセクシャリティの垣根を超えた交流の場が増えるといいなと思います。運営面では、実行委員側の人員の確保や、仕事の割り振りは、毎年四苦八苦しているところです。活動に共感して協力してくれる人をどれだけ集められるかというところが、課題だと思っています。

 

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インタビューを振り返って
社会のLGBTQに対する認識が変わってきてはいるものの、当事者の中には、いまだに孤独を感じている方が多いという。LGBTQに関わらず、人々がもっと生きやすい、ありのままの自分を出せる社会になることを願う今日このごろです。(斎藤)

 

インタビュアー 
齊藤博美(さいとうひろみ)
北海道NPOサポートセンター
※インタビューは、2023年3月28日にオンラインにて行いました。

 

 

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2023 / 06 / 27  13:44

相談窓口・伴走支援のご案内[2023年度さぽーとほっと基金採択団体および応募検討中の団体の皆さまへ]

相談窓口・伴走支援のご案内[2023年度さぽーとほっと基金採択団体および応募検討中の団体の皆さまへ]

 

組織・事業のより良い運営を一緒に考えましょう
新型コロナウイルス感染症対策活動団体支援協議会では、助成事業の成功やさらなる発展、事業運営における困りごとの解決について、さぽーとほっと基金助成団体の皆様とともに考え、支援します。

 

 

btn_01project2.gifこんなお悩みありませんか?当支援協議会にご相談ください!

◯ 組織運営
効果的な情報発信を行いたいが、どうしたらよいか
自らの情報を「誰に伝えたいのか」を整理したうえで、ターゲットに適切に届けるための情報発信ツールの選択及び導入をお手伝いします
デジタル化をすすめたいが、何からはじめたらよいかわからない
➡ 支援者管理、組織内コミュニケーション、クラウド会計など、必要に応じて団体の体制に合ったデジタルツール導入をサポートします

◯ 事業運営
助成事業終了後も、事業を継続するにはどうしたらよいか
 助成事業期間内に培ったノウハウを組織内に蓄積させるためのお手伝いをします
➡ 活動の継続、発展に必要な財源を明確化したうえで、活動資金等の獲得に向けた戦略策定&実行をサポートします

 


btn_01project2.gif相談窓口について 

当支援協議会のスタッフが、さぽーとほっと基金助成事業の実施に関する様々なご相談に応じます。

北海道NPOサポートセンターが持つネットワークを活用し、内容に応じ専門家の助言や各制度、他のNPOの先進事例等の情報提供を行いながら、助成団体の皆様の課題解決のための支援を行います。 

また、残念ながら今年度のさぽーとほっと基金の選考から漏れてしまった場合も、活用の可能性がある別の助成金等のご紹介など、事業実現に向けた方法を一緒に考えたり、次年度以降の応募に向けて検討すべきポイントなどについて助言するなどの支援を行います。

ぜひ、お気軽にご相談ください。


相談窓口・連絡先
北海道NPOサポートセンター(担当:高山・中西)
電話:011-200-0973(平日10時~18時)
FAX:011-200-0974
メール:kyougikai@hnposc.net

 


btn_01project2.gif伴走型支援

事業実施に関する助言など継続的な支援を行います
団体の立ち上げ期、成長期、安定期などのステップに応じ、それぞれのニーズに合わせた支援を行うため、当支援協議会のスタッフが、団体の皆様とともに考え支援する「伴走者」として、お話を伺い、課題や価値観を共有して継続的に関わりながら、団体が目指す姿の実現のお手伝いをします。

「コロナの影響により活動や団体の維持が厳しく悩んでいる」、「社会課題の解決のために今後どのような活動をしていくか」、「団体のさらなる成長・発展を図りたい」など、団体が抱える課題の解決や、団体の成長・発展を効率的にすすめるため、ぜひ当協議会の「伴走型支援」をご活用ください。

 

【伴走型支援実施概要】
当支援協議会のスタッフが、団体の皆様へヒアリングを行い、団体の皆様とともに課題の整理・見直しを行って必要な支援や支援の方向性を検討し、支援計画を作成します。
訪問やオンラインにより面談を重ねて、団体の課題解決や目指す姿の実現を応援します。(面談回数目安:1団体につき5回程度)

実施期間:2023年9月~2024年3月(予定)
対象団体:さぽーとほっと基金令和5年度前期助成事業の助成団体
定  員:8団体程度(応募数により選考あり)
費  用:無料 ※当支援協議会のスタッフの謝金・旅費等は不要です。
伴走型支援の主な内容
btn_kotira4.gifpdf  (PDF 0.86MB)

 

【主なスケジュール】

時期 内容
7月中 お申し込み(7/31締切)
8月

伴走支援先団体の決定
団体へのヒアリング
伴走支援計画の作成

 9月~2月  伴走支援期間
(訪問、オンラインによる)
12月 中間報告会
(伴走先助成団体同士の事業共有)
3月 最終報告会
(伴走先助成団体同士の事業共有)

 

【申し込み方法】

下記を記載の上、メール(kyougikai@hnposc.net)にてお申し込みください。

 1.団体名
 2.担当者名
 3.担当者電話番号
 4.メールアドレス
 5.団体HP/SNS等のURL(あれば)
 6.伴走支援を受けて取り組みたいこと

※申し込み締切 7月31日(月)

 

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主催:札幌市市民活動促進担当課
企画運営:新型コロナウイルス感染症対策活動団体支援協議会

【相談窓口・申込先】
NPO法人 北海道NPOサポートセンター(担当:高山・中西)
〒064-0808 札幌市中央区南8条西2丁目5‐74 市民活動プラザ星園201号室
TEL:011-200-0973(平日10時~18時)
FAX:011-200-0974
Email:kyougikai@hnposc.net
HP:https://covid-19.npoproject.hokkaido.jp/

 

 

2023 / 06 / 23  10:15

[インタビュー]安心できる遊び場づくり ~おやこのあそびば 松田さん

[インタビュー]安心できる遊び場づくり ~おやこのあそびば 松田さん

おやこのあそびば
子どもの健全育成事業
(令和4年度札幌市市民まちづくり活動促進助成金 スタートアップ助成事業)

 
おやこのあそびばは、札幌市北区の障害のある子(幼児~高校生)の子育てママを中心に、障害の有無に関係なく、地域で遊び学び育てる力を育て、次世代の子育てに継承できるような地域づくりを目指し、遊び場活動や学び場を親子で企画し実施しています。
今回は代表松田幸恵(まつだゆきえ)さんにお話を伺いました。

※右写真:松田さん

  

btn_01project2.gif安心できる遊び場を作りたい

― どういったきっかけで活動が始まったのですか?

「おやこのあそびば」として始めたのは2021年4月です。コロナ渦になって、地域で遊べる場が無くなっていき、さらに学校の参観日や運動会などの行事もどんどん縮小して、保護者同士の顔もわからないという状態が3年間ぐらい続いていました。コロナ渦以前は、公園や学校で会うと、「〇〇さんのお母さんだ」、「〇〇さんだ」と、子どもも大人の顔を見て安心したり、大人同士も安心して話ができたり、そんな中で子どもをゆったり見守る時間があったのですが、コロナ禍ではぱったりと無くなってしまいました。

もう誰が誰だか、顔がわからないことの不安が広がり、様々な活動が縮小していった中で、「ママ同士、地域活動として、安心できる遊び場ができたらいいよね」という気持ちから、活動が始まりました。基本的にはこの自分の住んでいる地域の顔が見えるところで、北区の新琴似新川地区センターを拠点にして、支援学級の子どもも歩いて来ることができる距離、自分の住む地域の周りから、ということで始めていきました。

 

 btn_01project2.gif先生はママ!

― どんな方が活動に参加されていますか?

障害の有無に関係なく、子育て中の親子もつながりを持ちながら、安心して遊べるよう、室内あそびや公園あそびの活動を展開しています。子どもたちは一回あたり30人ぐらい来ています。開催が長期休みの期間だったので、友達が友達を呼んで、久しぶりに友達が帰省しているから一緒に行こうということもありました。自由に入って自由に帰れるぐらいの規模感で、気持ちが崩れたらもう帰るみたいな感じです。

今回の助成事業では、先生としてママを巻き込んで企画しました。障害のあるママでヨガをやっている方とか、イラストレーターだったけれど仕事を辞めてしまった方とか、障害があって子育てが大変で、好きな仕事を辞めてしまったという方に先生になってもらいました。

ママたちがだんだん自信を回復して、社会の中で何かやってみたい、我が子だけじゃなく、障害のある子や、苦手なことがある子どものサポートをしたいという気持ちになっていっていると感じることがあります。

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あかちゃん同士も交流

 

btn_01project2.gif親同士、子ども同士が勝手につながる

― 遊び場はどんな雰囲気ですか?

ママさんたちは寄り集まって、ずっとお話ししていますね。子どもたち同士も初対面でも、家庭での愚痴などを言って、「わかるわかる!」みたいに意気投合しています(笑)。例えば先日、中学生同士で初対面なのに、「本当うちの親むかつくんだけど」みたいなことを卓球しながら話していたようで、とてもすっきりした、と言っていました。

親に対して、親への、あるいは大人や社会に対する不信感や不満を直接伝えることは、難しいですよね。コロナ禍で、学校でもなかなかワイワイとおしゃべりできなかった状態で、子ども同士、この場で発散していたようです。「何がすっきりしたの?」って聞いたら、「大人には言えないわ」って言われて…(笑)そんな場になっています。

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おやこヨガの様子

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子どもたちは、すぐに打ち解けてワイワイと

 

 btn_01project2.gifさらにたくさんの地域へ!

― 今後はどのような展開を考えていますか?

もちろんこの活動は続けていく予定です。ちょっと自信をなくしているママさんや、社会に出ていくと集団に加わることに不安のある子など、そういった方にとって“ワンクッション”となるような遊び場が、本当はどこの地域にもあった方がいいと思っています。今、私ができる範囲は限られていますが、刺激を受けたママさんたちが、今後、「私もやるよ!」とか、「今度こんなのやってみたいね」と積極的になり、もっと子育てにも生かせるような場にしていきたいと思っています。

 

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インタビューを振り返って
松田さんのお話を伺っていると、ゆったりと優しい雰囲気の活動なのだろうな、ということが伝わってきました。自然体での活動が、子どもから大人までいろんな人が過ごしやすい場を作っているのだと思います。新たな出会いの場であり、新しいことに挑戦する場であり、悩みを共有してストレス発散になる場であり、それぞれがそれぞれの過ごし方ができる場になっていることがうかがえました。札幌市内のいろんなところに同様の活動が拡がるとよいなと思いました!(中西)

 

インタビュアー 
中西希恵(なかにしきえ)
北海道NPOサポートセンター
※インタビューは、2023年4月7日にオンラインにて行いました。

 

 

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2023 / 06 / 22  11:52

[インタビュー]コロナ禍・コロナ後において懸念される孤立や認知症を予防する~ふまねっと 尚和さん

[インタビュー]コロナ禍・コロナ後において懸念される孤立や認知症を予防する~ふまねっと 尚和さん

NPO法人ふまねっと
孤立や認知症を予防するオンライン交流型体操教室とICTスキル向上説明会事業
(令和4年度札幌市市民まちづくり活動促進助成金 新型コロナウイルス感染症対策市民活動助成事業)

 

NPO法人ふまねっとは、子どもや高齢者が生き生きと健康に暮らすことが出来るよう、だれもが参加しやすい運動プログラム「ふまねっと運動」の開発やボランティア養成、健康づくりの機会を増やすためのネットワークの構築に継続して取り組んでいます。
今回は、副理事長尚和里子(しょうわさとこ)さんにお話を伺いました。

※右写真:尚和さん

  

btn_01project2.gifオンラインで誰でも参加できる教室と体験説明会

― 今回の助成事業について教えて下さい

孤立や認知症を予防するオンライン交流型体操教室とICTスキル向上説明会です。具体的にはコロナ禍、あるいはコロナ後において、懸念される孤立や認知症を予防するという目的で2つの事業を実施しました。一つは、自宅で参加できる交流型の体操教室をオンライン配信して、皆さん一緒に交流しましょうというものです。もう一つが、そのオンラインサービスに不慣れな方も多くいるので、ICTスキルを身に着けてもらい、パソコンやスマホでYouTubeやZoomを利用して参加してみましょうという、きっかけ作りのような実習型の説明会です。

オンラインで行う体操教室の方は、平日朝9時から1時間、YouTubeとZoomを使って配信し、どなたでも無料で参加できるようにしています。ふまねっとのスタッフとボランティアの皆さんにご協力いただいて、毎日皆さんと一緒に体操をしたり、参加者の方からお話していただいたり、終了後に感想を発表してもらったりしています。私たちは対面のときも交流を大事にしていますが、オンラインであっても画面越しにハイタッチをしたり、うまくできたかどうかお互いにフォローし合うなど、いろいろな交流の機会を作るようにしています。

オンラインサービスを利用するためのICTスキルの説明会の方は、広く周知したいと考え、札幌市内全区の区民センター等で体験説明会を行いました。インターネットを使った体操のやり方を一緒に体験し、その後オンラインでの利用方法について説明しました。オンラインに不慣れな方は、スマホを持っていてもうまく使えないという方もたくさんいらっしゃいます。作成した資料をもとに説明し、実際に通信してデモンストレーション的にお伝えすることで、少しずつオンラインに対するハードルを下げるような取り組みを行いました。一回あたり大体90分程度で、元々40回の予定でしたが、コロナ禍で人数が少ないときもあったので、もう少し追加して実施しました。 

 

 ― この事業を実施することになったきっかけや経緯について教えてください

今まで私たちの法人はボランティアを育成して、そのボランティアが地域で健康教室をやるという形で広げてきたのですが、ボランティアメンバーも高齢な方が多く、自粛されるケースもありました。各地でサロンや教室が中止するようになり、参加していた地域の人たちが寂しくしているという声を電話で聞いていました。また、健康状態や認知症の悪化を心配する声が、ボランティアから上がるようにもなりました。一方で、他者と交流する機会が極端に減って、教室を再開してもご本人の判断で自粛されるシニアの方も多くいらっしゃったため、孤立や孤独の問題がかなり深刻化している中、今すぐに取り組めることはないかと考え、オンラインで誰でも参加できる教室を開きましょうとなりました。それまでは間接的なサポートが中心だったスタッフたちも、直接オンラインでサポートするようになりました。

また、オンラインで誰でも参加できる健康教室をやろうということで始めましたが、オンラインに不慣れな方多かったため、やはり丁寧に説明し、知ってもらう機会を作らないと参加者も増えないだろうと考え、各地での説明会も開催することになりました。

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北区での体験会の様子(22年11月)

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厚別区での体験会の様子(22年12月)

 

btn_01project2.gifオンラインでもやらないよりはずっと良い

― 事業に参加された方の感想はいかがですか?

ボランティアの皆さんのことを、私たちは“サポーターさん”と呼んでいます。サポーターさんとの交流会が月1回程度、各地区で実施しているのですが、最初はその場に行って、こういった事業をやるので皆さんご協力お願いしますと説明したのですが、もう『オンライン』と言われただけで拒否反応を起こしていましたね。やはりシニアの方が多いのでオンラインは難しいし、対面の交流に勝るものはないと思う、けれども今はそれができない、オンラインでもやらないよりはずっと良い、とサポーターさんに説明しました。

最初は少なからず抵抗がありましたが、分かりやすい資料を用意して、少しでもきっかけになれば良いんですよと説得しました。これまで教室を開催していた皆さんに理解されないと、参加者の皆さんにもうまくおすすめできないと考えたので、まずはサポーターさんに理解してもらうことを重視しました。また、参加する方たちには、オンラインに対する興味だけでなく、オンラインツールを使えないとしても、家の中でちょっと面白いことができるんだよ、ということを一つの参加動機になればと考え、家でも新聞紙でふまねっとができるものを作りました。それ自体がなんか面白そうだねと、そこから興味を持ってくださったサポーターさんが増えて、地域の人にもおすすめしてくれるようになったのかなと思います。

体験説明会を実施していく中で、スマホを持っていない方や、持っているけどインターネットはよく分からないし怖いという方には、DVDを渡したところ自宅でやり始めたという方も結構いらっしゃいました。また、徐々に地域の健康教室も再開してきたため、新たに地域の教室に繋がったケースもありました。

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オンラインでの体操教室の様子

 

 btn_01project2.gif丁寧なサポートがあれば徐々にステップアップして解決に至っていく

― 運営上の課題や、今後の展開についてお聞かせください

オンラインに関してはまだまだ継続的な取り組みが必要です。高齢者の方のオンラインに対する慣れを広げていくためには、私たちの団体だけでなく、同じような取り組みを行う団体が増えていくと良いなと思っています。行政の方でも、『デジタル支援員』のような取り組みを、今後も展開するかもしれませんが、おそらく行政の公的サービスの力だけでは間に合わないと思います。町内会でも高齢者のデジタル支援に関する取り組みを実施されていると聞いていますので、NPOや町内会など多様な主体が社会課題の解決をできるようになっていくと良いなと思います。

オンラインで言えばシニアの人たちは弱者にあたりますが、きっかけがあり、やりたいと思える動機があり、丁寧なサポートがあれば徐々にステップアップして解決に至っていくんだなということは、とても感じています。それ自体が本人にとっては大きな自信になります。オンラインが使えるようになってびっくりしたという人、参加できるようになって毎日の生活の張りになっていますと喜んでくれる人などを見ると、活動が広がることで、助かる人もたくさんいるんだなということも感じました。

孤立死や自殺する人が増えている、健康状態が悪化している人が増えている、という社会状況の中で、行政の力だけでなく民間の力、こういった寄付による支援や直接ボランティアとして活動してくださる人がいて、そしてそれを進めていく団体が多くなれば、様々な社会問題が解決していくのではないかと思います。ぜひ、こういう取り組み、そして寄付などの支援がどんどん広がっていくといいなと思います。

 

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インタビューを振り返って
コロナ渦において多くの地域活動が行き詰ってしまった中で、オンラインを用いた新たな取り組みとして、多くのボランティアさん(札幌市内で500人ほど!)ととても丁寧にコミュニケーションをとりながら事業を進められていました。オンラインでの取り組みであったからこそ、高齢のボランティアさんや参加者さんが新たなことに挑戦出来たということは大きかったと思いますし、オンラインでつながり続けたからこそ、対面での活動再開も徐々に期待できるかと思います。4月以降もボランティアさんと役割分担をしながらオンライン配信を続けていくことを検討されているとのことで、高齢になっても社会的役割を持ち、担い手として活動できるということを伝えていきたいとお話されていたのが印象的でした。(中西)

 

インタビュアー 
中西希恵(なかにしきえ)
北海道NPOサポートセンター
※インタビューは、2023年3月2日オンラインにて行いました。

 

 

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