団体からのお知らせ・インタビュー
[インタビュー]心のメンテナンスを自分でできるように~ホリスティックケア協会 森さん
一般社団法人ホリスティックケア協会
心のケアを自分で行い楽観脳を創る「キラリノート」を社会と学校に普及させ、子供達にメンタルの整え方を教授し心の成長と進化する力を育む事業
(令和5年度札幌市市民まちづくり活動促進助成金 まちづくりの推進分野)
一般社団法人ホリスティックケア協会は、協会オリジナルの『キラリノート』を使い、メンタルに特化した自己啓発講座をオンラインにて開催しています。
今回は代表理事の森由佳子(もりゆかこ)さんにお伺いしました。
※右写真:森由佳子さん
心の不調を自分で整えられるノートを開発
― まず、団体の活動などについてお伺いします
2015年に団体を設立し、誰でも受講できるメンタルに特化した自己啓発講座を開催しています。オリジナルの『キラリノート』に書くことで、自分の心を整えたり、不安な感情を解消したり、自分がやりたいことを成し遂げるためにはどうすれば良いのか、といったことが自分で整えられるようになります。
オンライン講座は、『キラリノート』に感情を書き、自分自身と向き合っていくものですが、動画や呼吸法、ワークショップなども取り入れています。さらに、認定講師制度を設けています。私たちと共に講師として活躍していただく方を養成して、この講座自体を広めていきたいと思っています。
― 『キラリノート』について詳しく教えてください
私がセラピストの仕事を通じて苦しんでる方にたくさん出会い、どうにかできないかと考え、自分自身も苦しい思いをしたことがありました。ちょうどその頃、認知行動療法に出会い、私自身が一瞬で明るくなったことを実感しました。自分の考えの‟癖“のようなものを変化させ、ネガティブ脳をポジティブ脳に変えるようなイメージです。
書籍やセミナーでの勉強はもちろんですが、大学の心理学科に通い学び直し、心理系の資格も取得しました。脳科学者の中野信子先生や、精神科医の樺沢紫苑先生らは、私がとても好きで影響を受けた方たちです。この方々から学んできたものを実際に試し、効果がとても高いものを集め、さらに自分の気持ちを解消できたものを組み合わせることで、このノートを作りました。制作にあたっては多くの方にご協力いただき、実際に試しながら何回も作り直し、完成するまで2年ほどかかりました。
― さぽーとほっと基金の助成事業についてお伺いします
『キラリノート』を社会や学校に普及させることを目的に申請しました。当初、子ども向けに作成したいと思っていましたが、私が実際に体験しながら作ったので、最初に社会人用ができました。次は10歳から中学3年生までの子ども用、そして高校生から大学生までの学生用というものを作りたいと考えていて、これから学校に普及させていきたいです。
多くの人が効果を実感。受講後も手厚くサポート
― 講座の概要を教えてください
講座には5つのカテゴリーがあります。最初は約30分の動画を見ながら、自分で『キラリノート』を書いていくので、1カテゴリーにつき30分から1時間ほどかかります。その後、グループになり90分のワークショップを行います。これをZoomで約3か月間かけて行っています。
また、講座を受けたら終わりではなく、ここからが本番だと思っています。講座は心のメンテナンスを日常的に自分でできることを目的としており、受講だけでは独り立ちするには時間がかかる上、難しいところもありますので、きめ細かいサポート体制を作りました。
― 講座の反応はいかがですか
オンラインということもあり全国から延べ100名以上が受講しています。受講者には向上心のある方が多いですが、会社の人間関係や、家族との関係、親から暴力を受けていたという方など、様々な悩みを抱えている方がいらっしゃいます。
実際に受講し、効果を実感された方からは、「とても良いものだね」という感想や、講師になりたいという声をいただきました。ご自身の気持ちが変化してくることを実感できるので、やってるうちにどんどん楽しくなってくるようです。
また、コロナ禍を機に自分の得意分野をオンライン事業で起業したいが、どうしたら良いかわからないといった方が多くいらっしゃいますので、その中でも特に女性起業家の皆さんに受講していただきたいと思っています。しかしながら、インターネットの情報が多くなった昨今、集客がとても難しくなりました。
― どのように活動に関わることができますか
ぜひ、認定講師を目指したい方に関わっていただきたいと思っています。コンテンツも揃っていますので講師になることは難しくありませんし、何を学んで何を教えなければいけないということも一切ないので、関心や気力さえあればできると思っています。いずれ子ども向けの『キラリノート』を作りたいと考えていますので、協力してくださる方がいると嬉しいです。怒りの感情などの苦しい思いを、自分で簡単に解放できるとすごく楽になります。一緒に広めていただける方に協力してもらいたいと思います。
唯一無二のメソッド
― 森さんが考える強みと弱みはなんでしょうか
やはり『キラリノート』が一番の強みです。認定講師はコロナ禍でやめざるを得ない方もいらっしゃいましたが、講師が増えて助け合えるような関係になると、さらに強みが増すと思っています。現在は、ほぼ1人で活動をしているので、意思決定は早いというメリットがありますが、これから雑務が多くなってくると大変だなと思っています。
コロナ禍については、結果的に追い風になったのではないかと思っています。コロナの行動制限緩和で再びリアルで会うこともできるようになりました。ただ、情報過多になり、活動当初の8年前には居なかった同業者が、今では多くなったと感じるようにもなりました。『キラリノート』はオリジナルツールですし、似ていたとしても、完全に同じものは無いと思っています。ただ、キラリノート講座の知名度は、告知の仕方が悪いのか、まだまだ浸透していないというのが実態です。
― 今年度は支援協議会が伴走支援を行っていますが、特に期待していることをお聞かせください
伴走支援を申し込んだ動機としては、SNSの活用を含め,集客がうまくいっていないことが大きな理由です。私がSNSを使って団体の発信を行っていますが、SNSの種類によって雰囲気も違いますし、飛び交ってる言葉も違いますから、どう表現したら良いのかわからず苦手です。とは言っても、経営者としては頑張らなければならないところなので、SNSを使った集客に関する部分については特にお力を頂きたいと思っています。
― 今後の展開について教えて下さい
学校の先生方に講座を受けてもらいたいと思っています。はじめに社会人用の講座を受けて効果を実感してもらってから、次に子ども用の講座を先生方に体験していただくことが理想的だと思っています。
受講した方々から「子ども用を早く作ってほしい」と言われたこともありますが、社会人用と子ども用とでは、本質的なものは変わりませんので、早く子ども用を作りたいと思っています。
インタビューを振り返って
ホリスティックケア協会さんは、『キラリノート』に書いていくことで、自分を見つめ直して、自己肯定感を高めていくことを目指されています。自由な発想を重視するNPO活動においても、コンプライアンス、ガバナンスの要求は以前よりも高まっており、職場の人間関係や活動現場や情報発信において神経を使う場面が増え、悩みを抱えている方も多いのではないかと思います。こうした活動のニーズは、今後も増えていくと思われますので、これからの展開に期待したいです。(高山)
インタビュアー
高山大祐(たかやまだいすけ)
北海道NPOファンド
※インタビューは、2023年9月6日に北海道NPOサポートセンター事務所にて行いました。