団体からのお知らせ・インタビュー
[インタビュー]元気な笑顔が見たい、見せたい~NPO法人たすけ愛ふくろう清田 中村さん
NPO法人たすけ愛ふくろう清田
タブレット・ネットワーク活用で、地域交流を復活させる事業
ステイホーム、新しい生活様式などで、希薄となりつつある地域交流、触れ合いを少しでも取り戻し、「大切な人と、一緒にいるように話がしたい」「元気な笑顔が見たい、見せたい」……そんな思いを実現できるよう、タブレットを活用した交流事業を実施されているNPO法人たすけ愛ふくろう清田を取材しました。
たすけ愛ふくろう清田は、誰かの「困ったな」と誰かの「助けたい気持ち」をつなぎ、日々の暮らしの中で、援助が必要な高齢者・障害者やその家族、その他手助けを必要とする方々へ、会員相互扶助による日常生活支援を行っています。代表の中村則夫(なかむらのりお)さんにお話を伺いました。
人と人をつなげるためのサポート
― まず、今回の事業を行うに至った経緯を教えてください
普段の事業では、「地域の助け合い」をつなげるため、家事、買い物、話し相手、子育てサポート、そのほか生活全般を対象とした活動と、サロンの開催などの事業を行っています。
コロナ禍という状況下で、人とつなげるためにはどのようなサポートができるのかを考えた時、タブレットを使用したテレビ電話での会話を楽しむということを考えました。
今回の助成金は、(自己資金を必要とせず)全額助成、人件費の助成があり、やる気があれば応援するという趣旨であることからこの助成を受けました。
テレビ電話で大切な人との会話を楽しみませんか?
顔を見て話すことができる環境を
― これまでの活動との違いや難しさはどんなところですか?
コロナ禍で、入院・入所されていると家族と面会できないことは不安です。また、移動制限などある中で、遠くに住む家族や親せき、友人など、会うことができない方も多いです。そのような方々が、顔を見て話すことができる環境を作っていくものです。
今回の助成でタブレット2台、モバイルデータ通信機2台を購入し、多くの経費は広告費に使用しています。まずは皆さんに知っていただくことが必要なため、チラシ折込みや町内会回覧板で告知しています。
タブレットを使うことに不慣れな方への説明や、入院・入所されている場合、施設等の理解がないとできない事業であるため、ご家族と施設との話し合いが必要にもなってきます。
これまで特別養護老人ホームに入所された方と親族とのタブレットを利用した面会を実施しました。通信機器の設置や使用法などを説明後、約30分間会話をしました。皆さん、久しぶりに見るお顔に話が弾んでいました。
不慣れな方にとっては、まだまだハードルが高いテレビ電話。
サポートがあることで、安心して利用できます。
― 実施してみての感想や今後の活動についてお聞かせください
今回は助成を利用して事業を行っていますが、タブレットを利用した事業は、これまでの事業にも加えていきたいと考えています。しかし、通信費が高額なことが事業を進めていく上で課題と思われます。さらに活動を広めるためには利用者を確保していくことが必要です。
また、今回のような助成事業を活用することで、他のNPOの方たちにも、活動の幅が広がっていくことを知ってほしいと思います。
なかなか利用できない環境にいる方々の力に
インタビューを振り返って
コロナ禍で入所・入院されている家族と会えないという、どちらも不安の中にいる時に、顔を見て話ができることは、お互いの安心感につながると思います。また、遠くにいる家族とは、ネット環境が整っていればすぐにできる時代ですが、なかなか利用できない環境にいる方々の力になることだと、実際に入所されている方とご家族とのテレビ通話の様子を拝見して感じました。
また、インタビューのあと、サロンで開催されているパッチワーク教室を見学し、これまでの地域活動がとても大切なことであること、日常生活の大切なことを拝見させていただきました。
9月16日、サロンのパッチワーク教室の様子
インタビュアー・記事作成
佐藤祐子(さとうゆうこ)
北海道NPOサポートセンター 編集ボランティア