団体からのお知らせ・インタビュー

2023 / 06 / 23  10:15

[インタビュー]安心できる遊び場づくり ~おやこのあそびば 松田さん

[インタビュー]安心できる遊び場づくり ~おやこのあそびば 松田さん

おやこのあそびば
子どもの健全育成事業
(令和4年度札幌市市民まちづくり活動促進助成金 スタートアップ助成事業)

 
おやこのあそびばは、札幌市北区の障害のある子(幼児~高校生)の子育てママを中心に、障害の有無に関係なく、地域で遊び学び育てる力を育て、次世代の子育てに継承できるような地域づくりを目指し、遊び場活動や学び場を親子で企画し実施しています。
今回は代表松田幸恵(まつだゆきえ)さんにお話を伺いました。

※右写真:松田さん

  

btn_01project2.gif安心できる遊び場を作りたい

― どういったきっかけで活動が始まったのですか?

「おやこのあそびば」として始めたのは2021年4月です。コロナ渦になって、地域で遊べる場が無くなっていき、さらに学校の参観日や運動会などの行事もどんどん縮小して、保護者同士の顔もわからないという状態が3年間ぐらい続いていました。コロナ渦以前は、公園や学校で会うと、「〇〇さんのお母さんだ」、「〇〇さんだ」と、子どもも大人の顔を見て安心したり、大人同士も安心して話ができたり、そんな中で子どもをゆったり見守る時間があったのですが、コロナ禍ではぱったりと無くなってしまいました。

もう誰が誰だか、顔がわからないことの不安が広がり、様々な活動が縮小していった中で、「ママ同士、地域活動として、安心できる遊び場ができたらいいよね」という気持ちから、活動が始まりました。基本的にはこの自分の住んでいる地域の顔が見えるところで、北区の新琴似新川地区センターを拠点にして、支援学級の子どもも歩いて来ることができる距離、自分の住む地域の周りから、ということで始めていきました。

 

 btn_01project2.gif先生はママ!

― どんな方が活動に参加されていますか?

障害の有無に関係なく、子育て中の親子もつながりを持ちながら、安心して遊べるよう、室内あそびや公園あそびの活動を展開しています。子どもたちは一回あたり30人ぐらい来ています。開催が長期休みの期間だったので、友達が友達を呼んで、久しぶりに友達が帰省しているから一緒に行こうということもありました。自由に入って自由に帰れるぐらいの規模感で、気持ちが崩れたらもう帰るみたいな感じです。

今回の助成事業では、先生としてママを巻き込んで企画しました。障害のあるママでヨガをやっている方とか、イラストレーターだったけれど仕事を辞めてしまった方とか、障害があって子育てが大変で、好きな仕事を辞めてしまったという方に先生になってもらいました。

ママたちがだんだん自信を回復して、社会の中で何かやってみたい、我が子だけじゃなく、障害のある子や、苦手なことがある子どものサポートをしたいという気持ちになっていっていると感じることがあります。

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あかちゃん同士も交流

 

btn_01project2.gif親同士、子ども同士が勝手につながる

― 遊び場はどんな雰囲気ですか?

ママさんたちは寄り集まって、ずっとお話ししていますね。子どもたち同士も初対面でも、家庭での愚痴などを言って、「わかるわかる!」みたいに意気投合しています(笑)。例えば先日、中学生同士で初対面なのに、「本当うちの親むかつくんだけど」みたいなことを卓球しながら話していたようで、とてもすっきりした、と言っていました。

親に対して、親への、あるいは大人や社会に対する不信感や不満を直接伝えることは、難しいですよね。コロナ禍で、学校でもなかなかワイワイとおしゃべりできなかった状態で、子ども同士、この場で発散していたようです。「何がすっきりしたの?」って聞いたら、「大人には言えないわ」って言われて…(笑)そんな場になっています。

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おやこヨガの様子

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子どもたちは、すぐに打ち解けてワイワイと

 

 btn_01project2.gifさらにたくさんの地域へ!

― 今後はどのような展開を考えていますか?

もちろんこの活動は続けていく予定です。ちょっと自信をなくしているママさんや、社会に出ていくと集団に加わることに不安のある子など、そういった方にとって“ワンクッション”となるような遊び場が、本当はどこの地域にもあった方がいいと思っています。今、私ができる範囲は限られていますが、刺激を受けたママさんたちが、今後、「私もやるよ!」とか、「今度こんなのやってみたいね」と積極的になり、もっと子育てにも生かせるような場にしていきたいと思っています。

 

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インタビューを振り返って
松田さんのお話を伺っていると、ゆったりと優しい雰囲気の活動なのだろうな、ということが伝わってきました。自然体での活動が、子どもから大人までいろんな人が過ごしやすい場を作っているのだと思います。新たな出会いの場であり、新しいことに挑戦する場であり、悩みを共有してストレス発散になる場であり、それぞれがそれぞれの過ごし方ができる場になっていることがうかがえました。札幌市内のいろんなところに同様の活動が拡がるとよいなと思いました!(中西)

 

インタビュアー 
中西希恵(なかにしきえ)
北海道NPOサポートセンター
※インタビューは、2023年4月7日にオンラインにて行いました。

 

 

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