団体からのお知らせ・インタビュー

2023 / 05 / 01  14:28

[インタビュー]つながりあって、助け合えるような活動を~あえりあ 高橋さん

[インタビュー]つながりあって、助け合えるような活動を~あえりあ 高橋さん

NPO法人あえりあ

「介護が必要になる前に知っておこう」セミナー事業
(令和4年度札幌市市民まちづくり活動促進助成金 スタートアップ助成事業)

 

NPO法人あえりあは、『人と人が支え合える未来』をつくることをビジョンに掲げ、医療福祉分野の有資格者や資格取得予定の方と、医療福祉のサポートが必要な方々に対し、オンライン・オフラインを問わず必要な支援を企画・運営する事業を行っています。
今回は、代表理事高橋亜由美(たかはしあゆみ)さんにお話を伺いました。

 

 

btn_01project2.gif専門職が地域の中で何かできないか

― まず、あえりあの活動について教えてください

私自身看護師として働いているのですが、学生時代には有償ボランティアとして脳性まひの方の介助を行い、看護師になってからは、医療的ケア児が学校に通う際には、看護師か親が付き添わなければならないため、そのサポートを行ってきました。(※2022年より医療的ケア児支援法が施行され、学校等においては設置者に対する配置義務となりました)

医療職、介護職、福祉職は、制度の中で満たしきれていないこと、病院や訪問介護、訪問看護だけでは出来ないことがあるのを、日々痛感している方も多くいます。普段は業務に追われていますが、どうにかできないかな、週1回や月1回という頻度であればお手伝いしたいと考えている方も多いのです。そこで、専門職が地域の中で何かできないかということを考え、2021年7月にNPO法人あえりあを設立しました。

現在の活動としては、医療・福祉・介護の有資格者と、サポートが必要な人がつながり合い、助け合える『さぽんて』というオンライン上のプラットフォームを運営しています。現在有資格者が約75名、サポート必要な人が15名、法人は1法人登録しています。障がい児の兄弟の習い事のために、少しの時間子どもと一緒に過ごしてほしいなど、有資格者がちょっとしたお手伝いの有償ボランティアをしています。

他に、助成金を活用してのセミナーや、NPO法人MINNAの会が運営しているユニバーサルカフェminna”での介護予防教室『ココカラ~ココロもカラダも健康に』や『ココカラ保健室』も開催しています。

これらは、『さぽんて』の有資格者が有志で集まってくれて、運営しています。専門職が地域の中で活躍できる場を作り始めたところです。

 

 

  btn_01project2.gif介護が始まる前に知る機会をつくる

― 今回の助成事業について教えてください

『さぽんて』を立ち上げるときに、家族の介護経験のある方にどんなサービスだと良いかリサーチしたところ、介護が必要になった時にどこに連絡すればよいのか、介護保険の使い方やその窓口はどこにあるのか、または軽度の認知症の方と暮らすときの生活の仕方が分からないなど、介護についての知識を持っていないがゆえに困っていることがわかりました。そのため、家族に介護が必要になった時に必要になる情報を、介護が始まる前に知る機会をつくるためのセミナーを開催することにしました。

さぽーとほっと基金の助成事業として2022年7・8・9月に『介護が必要になる前に知っておこうセミナー』を開催しました。セミナーの開催は初めての経験であり、社会福祉協議会や地域包括支援センターなども含めた札幌市内の現場の方との関係ができておらず、集客に苦労しました。

今後のオンラインとのハイブリット開催のために、トライアルもできたので、次のセミナーでやりたいことも発見できました。2023年1月・2月に開催した第二段の『介護が必要になる前に知っておこうセミナー』では、参加者の半数が初めて来てくださる方であり、フライヤーをお渡しした先からのお申込みもあり、嬉しかったです。

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1回目講師の舛森悠(ますもりゆう)さん 

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2回目講師の高松誠(たかまつまこと)さん

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3回目講師の豊岡萌絵(とよおかきえ)さん

 

btn_01project2.gif 病院や施設だけが職場ではありませ

― コロナ禍において、活動への影響はいかがでしょうか?

コロナ禍の課題としては、高齢者が集まる場所が減っていることが挙げられます。市が運営している施設が一斉に休館となった時期もあり、そこでの活動が休止となり、集まれる場所自体が減りました。『ココカラ』『ココカラ保健室』は、コロナ禍で減ってしまった介護予防教室の場でありながら、現役の専門職ともつながることができる場でもあり、専門職にとっても地域住民から様々なことを教えていただける場にもなっています。

一方で、コロナ禍でオンラインツールが一般化したおかげで、障がいのある人、介護をしている人、体調が悪く会場参加が難しくなった人でも、オンラインでセミナーに参加できるようになりました。また、『ココカラ』『ココカラ保健室』では、オンラインで北海道外の言語聴覚士さんに嚥下体操を行ってもらったり、会場参加できないスタッフがオンラインでサポートしたり、選択肢の幅が広がっています。

 

― 運営上の課題や、今後の活動について聞かせてください

『さぽんて』開発資金をクラウドファンディングで集めましたが、継続するためには収益化を図る必要があること、札幌市内のフィールドワークを増やすこと、人材の育成や事務局の稼働、実際に現場で動ける人の確保など、課題ばかりです。最近は先輩NPOとの交流が増え心強いです。

今回の『介護が必要になる前に知っておこうセミナー』では、対象者が60~70代だったので開催日は土日の午前を選びましたが、今後、働き盛りの人にこそ、親の会議が必要になる前に、介護について知ってもらいたいため、企業と連携する必要もあると考えています。

また、学生さんなどもっと若い人たちにも、医療・福祉・介護について知ってもらいたいです。

そして、医療職・介護職・福祉職は、病院や施設だけが職場ではありません。地域での活躍を知っている人は少ないです。デイサービスというと高齢者のためのものとイメージしがちですが、障がい児のデイサービスもあります。医療・福祉・介護のサービスは、まだまだ知られていないことが多いので、学校など様々な機会に学生さんに向けてもお話したいです。

 

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インタビューを振り返って

代表の高橋さんが、同じ思いを持った仲間を見つけ、多様な人とつながりあい、いろんなことを吸収ながら活動を拡げてらっしゃるのがとても印象的でした。現状の制度の隙間を埋め、専門職とサポートが必要な人、そのまわりにいる様々な人々の思いをくみ取り実現する仕組みづくりを、この先も進めていっていただきたいです!(中西)

 

 

インタビュアー 
中西希恵(なかにしきえ)北海道NPOサポートセンター
※インタビューは、
2023年2月10日にオンラインにて行いました。

 

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