団体からのお知らせ・インタビュー

2023 / 03 / 27  10:38

[インタビュー]ペットと共に始める終活~ホッカイドウ・アニマル・ロー 今井さん

[インタビュー]ペットと共に始める終活~ホッカイドウ・アニマル・ロー 今井さん

NPO法人ホッカイドウ・アニマル・ロー 
高齢者飼い主が大切なペットと共に始める終活の知識を学び、共有と交流を深め、安心なペットライフと向き合う事業
(令和4年度札幌市市民まちづくり活動促進助成金 アリヤス基金事業)

 
NPO法人ホッカイドウ・アニマル・ローは、動物愛護に関する意識の向上や、適正飼育および終生飼養に関する知識の普及、動物愛護のための法的な支援事業を行っています。
今回は、代表理事今井真由美(いまいまゆみ)さんにお話を伺いました。

※右写真は、2022年12月の防災セミナーの様子

  

btn_01project2.gif知識と愛情をもった飼い主が増えることが願い

― まず、ホッカイドウ・アニマル・ローの活動について教えてください

ホッカイドウ・アニマル・ロー(HALAW・ハロー)は、法律専門職の視点から適切なペットライフを提案するため、動物が好きな行政書士が中心となり、2016年に動物法務の研究会から始め、2017年にNPO法人化しました。メンバーの半数は行政書士で、動物ケアをしている看護師やドッグトレーナーの方も参加しています。
メンバーはみんな本業を持っている人たちなので、活動時間は限られていますが、主な活動はペットに関する啓発セミナーと、夏頃に開催するアニマルセラピーのオンラインセミナーです。

ペット生活は多様化が進んでいます。ペットは家族の一員と言われますが、人間とは違う点ももちろんたくさんあります。ペットを迎えるときには愛情だけでなく知識が必要です。犬の散歩時や猫の外飼いなどにおけるトラブルも生じます。法律面では動物愛護管理法や民法などが関わってきますので、飼い主の責務を法的な観点からも伝えなければなりません。私たちの目的は、人と動物の共生社会の実現です。知識と愛情をもった飼い主が増えることが願いです。

 

 btn_01project2.gif飼い主の環境変化

― 今回の助成事業について教えてください

施設入所や長期入院、死亡など、高齢飼い主の環境変化や健康状態により、ペットが取り残されたり、ペットを残して入院することを拒否する飼い主の実態などを踏まえ、「ペットと共に始める終活」というテーマで、昨年8月から5回のセミナーを開催しました。

今回は知識だけではなく、参加者同士の交流の機会と、顔が見える関係を大事にしたいと考えました。セミナーは、1回目は「猫の飼育の終活について」。新しい飼い主に先住猫がいた場合どのように向き合うかなどについてお話ししました。2回目は「一生幸せに過ごすための犬のしつけ」、3回目は「お別れと向き合う準備」として葬儀や供養について、4回目は、「生命保険と損害保険、ペット保険の活用についてのセミナー。最後に特別講演として、「ペットと暮らす防災セミナー」を開催しました。札幌市動物管理センターの職員さん、また獣医師さんや災害支援動物危機管理士、ドッグトレーナーの方をお招きしました。

今回のセミナーでは、リピーターの方や、動物の仕事をしている人やこれからしたいという人の参加が増えたと感じています。これから飼い主や動物に関わる人の交流が生まれてくることを期待しています。今は、会員になっていただいた方とSNSで交流しています。今回は、セミナーの告知をSNSで広げてくれるなど、活動の広がりを実感することが増えました。

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 第1回セミナー「猫と仲良くなる方法!!」              最後のセミナーは「防災・減災」

 

 

― コロナ禍における影響はありましたか?

今回の助成事業においても、コロナ禍の影響はありました。コロナ感染症には十分注意を払い、募集締切と開催日までの間、感染状況を見つつオンラインと会場開催の両方に対応できる準備をしました。最後の特別講演では講師と近しい方が感染したため、講演部分は録画配信で対応しました。会場のセミナーは、会場定員の半数以下にしていますが、これまでも顔の見える関係を重視してきたので、もともと定員は少なめにしています。

 

 btn_01project2.gifペットと高齢者の課題には類似性がある

― 運営上の課題や、今後の活動について聞かせてください

動物に関わる活動をしていると、保護団体と思われ、寄付をくださる方もいらっしゃいます。団体活動について誤解を受けないよう、法人としては寄付を募っておらず、会費や助成金で運営費を賄っています。動物の保護に関しては、令和元年に『動物の愛護及び管理に関する法律』の改正があり、施設管理の基準など、保護団体にとっては厳しくなった部分もあります。

2023年もセミナーを開催します。飼い主さんだけでなく、ご家族にも参加していただきたいです。
独居が増えている状況で、遠方のご家族の方がペットを飼っていることを知らなかったという事例もあります。親族がお亡くなりになったときに残されるペットの存在を感じ、思いの部分にも向き合っていただく機会になると思います。
ペットと高齢者の課題には類似性があると思います。声をあげたいけれどできない、どこに相談していいかわからないなど、心を閉ざしてしまう要因が社会にあるのではないかと思いますので、孤立を解消するために取り組みたいと思います。当法人の活動には、セミナー参加の他、賛助会員、正会員として参加できます。お待ちしてます!

 

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インタビューを振り返って
長い歴史がある動物愛護の分野において、多頭飼育などの問題が表面化してきたのは比較的最近のことではないかと思います。高齢化社会の進展や、動物の保護に関する意識の変化、法令改正など、団体が対応しなければならないことは増えています。ホッカイドウ・アニマル・ローさんのような、専門家による分野に特化した啓発活動の必要性もますます高まってくるのではないかと思いました。(高山)

 

インタビュアー 
高山大祐(たかやまだいすけ)
北海道NPOファンド
※インタビューは、2023年2月28日オンラインにて行いました。

 

 

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