団体からのお知らせ・インタビュー

2022 / 08 / 30  09:46

[インタビュー]『栄養価の高い、安全・安心、美味しい』を理解してもらうために~農業塾 風のがっこう 長谷川さん

[インタビュー]『栄養価の高い、安全・安心、美味しい』を理解してもらうために~農業塾 風のがっこう 長谷川さん

NPO法人農業塾 風のがっこう

保育園児野菜づくり体験及び小学生越冬野菜作り学習と雪遊び事業
(令和3年度札幌市市民まちづくり活動促進助成金 エスエーこども応援基金事業)

 

農業体験を通して、子どもたちには食の大切さ・命の尊さ、若者には汗して働くことの必要性、成人・高齢者には農と食・環境・健康についての学びの機会を提供しているNPO法人農業塾 風のがっこうを取材しました。

今回は簾舞地区にある農場を訪問し、理事長長谷川豊はせがわゆたか)さんにお話を伺いました。

 

btn_01project2.gif農業への関心を

― まず、農業塾 風のがっこうの活動について教えてください

農業の担い手を育てるという人材育成を進めるため、2004年に法人化しました。昔は多くの人が学びに来ていましたが、現在は、障害者や高齢者の方々に来てもらい、農業への関心を持ってもらう取り組みも行っています。また、子どもたちに、安心安全で栄養価の高い作物について知ってもらう機会を作る必要があると考えています。

コロナ禍以前は外国人の研修生を受け入れていました。(厚生労働省の)外国人技能実習生ではなく、農業を学びたいという外国人を受け入れて、3ヶ月間、日本の農業の良さや技術について教え、自国に戻り実践してもらうためのものです。

 

  btn_01project2.gif1番わかるのは子どもたち

― 今回の助成事業について教えてください

保育園児や小学生とその保護者を対象に、野菜づくり体験を実施しています。子どもたちを対象とした取り組みは、20年前から行っていますが、『栄養価の高い、安全・安心、美味しい』がいかに大切であるかを、より理解してもらうため、短期的な農場での体験活動ではなく、継続した体験活動の取り組みを実施しています。

保育園児には、春から秋にかけて、土づくりから始めて、挿し木して、管理して、収穫して……「自分たちが育てたものがこんなに美味しい!」ということを、保護者や保育園スタッフも一緒に体験してもらいます。保育園にも、園庭に野菜のプランターがずらっと並べて育てているので、時々指導に伺っています。

小学生は、秋に収穫したキャベツを雪に埋めて、越冬野菜づくりについて学びます。簾舞小学校の子どもたちは、体験活動の日とは関係なく、よく農場に遊びに来ていますよ。

育て方によって、野菜独特の青臭さなどが無く、苦手としてた野菜が、みんな食べられるようになるんですよね。野菜の味の違いが、1番わかるのは子どもたちです。畑の中の微生物が多くて、栄養価が高いので、美味しくなります。そして、それらが健康な身体を作ることを、皆さんに実感してもらいたいです。

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btn_01project2.gif農業を理解してくれる人を増やす

―  コロナ禍において、活動への影響はいかがでしょうか?

コロナになってから、ここを訪れる人は増えています。屋外で環境が良いからでしょうか。事業とは関係ない一般の方、特に消費者の方が多いですね。「草取りしたい」という方も来ますよ。ここが、楽しくて美味しい野菜だということを知っている人が、草取りに来て、野菜を食べて帰ります。若い人も結構居ますね。テレワークになって時間が出来たという人もいて、新しいつながりができたと感じます。団体のホームページがあるわけでもないので、皆さん人づてにいらっしゃいます。

ただ、日頃からオープンに自由に農業体験させているわけではないので、日時を決めて、やるなら本気でやってもらわないと困りますね。農業を理解してくれる人を増やすために、買って食べるだけではなく、どうやって作っているのかを知ってもらう格好の機会ですから、食の安全について、世の中の人に知ってもらいたいと思っている人に、ぜひ来てもらいたいと思っています。

 

btn_01project2.gif街の人が農場に来て、やり方を学ぶ

― 運営上の課題や、今後の活動について聞かせてください

若い人たちが来てくれるのはすごく良いですね。今後は、リーダーを決めて、自主的に作業について決めるようにするような仕組みを、もっともっと広げていきたいです。『農業の担い手を育てる』ことは、まず安心・安全な食べ物を知ってもらうことです。街の人が農場に来て、やり方を学ぶ。家庭菜園でもチャレンジできるように、広げ、伝えていくことが大事です。ここは札幌中心部から30分ぐらいの場所です。関心の高まりは感じているので、農業に触れる人が増えて欲しいと思います。

また、コロナ禍以前は、国内外でも活動をしていました。特にモンゴルでは、砂漠でもできる農業の方法を伝える活動を行っていて、モンゴル国内でどんどん野菜づくりが進んでいきました。感染症が落ち着いたら、また行きたいと思っています。

運営に関しては、お金が無いから大変ですよ。昔からね。近年では、複数の企業が支援してくれるようになって、資材や材料費、運転資金に充てることができるようになりました。インターネットでの情報発信ができていないのが大きな課題です。現在は、使えるスタッフが居ないので、まったく活用できていないです。今後、いま通ってきている若い人が、スタッフになってもらえることを期待しています。

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インタビューを振り返って

青空と山並みがきれいにみえる素敵な農園で、リラックスした雰囲気のなかのインタビューとなりました。特に印象に残っているのがコロナ感染症によって農園を訪れる若い人が増えているという話でした。コロナ感染症の拡大によって従来の活動が出来にくい中、新しい市民のニーズに柔軟に対応しているのだと感じました。(定森)

 

インタビュアー 
定森光(さだもりひかる)
北海道NPOサポートセンター
※インタビューは、2021年9月11日に行いました。

 

記事作成
佐藤綾乃(さとうあやの)
支援協議会事務局

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